春先の花壇や空き地で、何よりも先に顔をだし、季節の訪れを告げるのが、雑草・・・いえ、野の草花です。
日本全国、都会でも、田舎でも、どこででも目にすることができる野の草花は、わたしたちにとって、一番身近な植物。その暮らしに、忙しいおとなの目が向けられることはあまりまりませんが、庭や公園や道端の草花は、子どもたちのよい遊び道具にもなってくれます。
名前を知り、仲よくなれば、きっと子育てを豊かにしてくれる、野の草花。
子どもが楽しむもの、親子で楽しむものから、おとなが見てもうっとりの素敵な本、そして知的欲求を満たしてくれる読み物まで。
子育てとともに楽しみたい、草花の本を選びました。
vol.1は、絵本を3冊。
vol.2は、こちらにあります
親子でたのしみたい草花の絵本
「野の花えほん」
ことり文庫でいちばん選ばれているのは、人気のイラストレーター、前田まゆみさんによる、草花の絵本。
描かれるのは、名前は知らなくても誰もが目にしている、27の草花。とてもやわらかで可愛らしいイラストは写真以上に親しみやすく、小さな小さな種や、花びらの裏、葉の先まで、細やかな特徴を愛しみをもって紹介します。
その種類、特徴だけでなく、図鑑には載っていない「えほん」ならではの、豆知識や、遊び方・・・食卓でのたのしみかたもたくさん紹介されているのも、うれしいところ♪
小学校中学年くらいから、自分で読んでも楽しめますが、小さい子のいるお母さんが手にとり、トキメキ、それを子どもに伝えてあげられたら、いつものお散歩の道が、もっともっと楽しくなるはず。
女の子(元女の子もね)の好きなことを、よーくわかってくれている、絵本です。
こちらに記事もあります→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/nonohana-ehon/
「草花とともだち」
リスくらいの小さな女の子と、森の動物たちが、自然とあそぶ、たのしい絵本のシリーズ。芽吹き始めた草花を追って、野山や水辺をめぐる、春の巻。
きいろの花、白い花、むらさきの花。木に咲く花、水辺の花・・・こびとの女の子が野山を歩きながら見つけた、80以上もの植物と、そのまわりで暮らす生き物たちが、紹介されます。
名前や解説、毒の有無だけでなく、味や、食べ方、遊び方や工作のレシピも、細やかでかわいい絵や物語で教えてくれるのがうれしい。
解説は最小限なので、図鑑のように使うと言うよりも、親子で絵本を楽しみながら、名前を知り、草花に親しむのにぴったり。小学生が自分で読むのにも、いいと思います。
「野の草花」
慈しみのある、精密な、とても美しい絵で、野の草花の四季が描かれている、わたしのいちばん好きな野の花の本。
大判のページを開くと、季節ごとに、道ばたや田んぼ、池のほとりに佇む植物がそのままの様子で描かれ、よく見ると花のなかや、葉っぱや茎には、虫たちがそれぞれ命を営んでいます。やがて色があせ、種を残し枯れていく姿もあります。
巻末には、描かれた100もの草花についてひとつひとつ、もう少し詳しく解説してあり、どんな小さくても、名前や役割や生きていく知恵が備わっているのだなぁと、尊くおもいます。
知識を得るのではなく、身近なことに気づき、よりよく知る、そんな草花の絵本です。
こちらに記事もあります→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/nono-kusabana/
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知識のつまった図鑑とは違う、物語を感じながら親子で楽しめる、草花の絵本3冊。
vol.2は、子どもに関わる人だけでなく、草花に興味をもつおとなの人にも広く楽しんでもらえる草花の本を紹介します。
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