ー妖精は信じる人の心をかてにして
生きていると聞いたことがあります。
訳者のあとがきより
くもの巣のゆりかごで眠る、
妖精の女王さまの、赤ちゃん。
銀のうつくしい指ぬきを、
巣にもちかえってしまったネズミの家族。
ブナの木のお茶会に、
おめかしをしてでかける、小さな妖精。
ノアのはこぶねのおもちゃの
ゾウにのってみたかったこびと。
王さまへの贈りものを
掘り当てようとしているこびとたち。
かわいい歌をうたいながら、
夜の見張り番をしている、サクラの木の精。
そして、サンタクロースと、ほかのかざりたちのおかげで、すてきな友だちと出会うクリスマスツリーかざりの、ガラスの小鳥。
物語を紡ぐ名手エインワースのたくさんの物語の中から、ちいさいものたちを主人公にした短いお話だけで編まれた、物語集です。
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妖精もこびともサンタクロースも、世界中の不思議なことはみんな、信じることをやめたら、なくなってしまうのです。
見たことがあるかどうか、より、ずっと大事なことが、あるのだと思います。
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【この本のこと】
ルース・エインスワース 作
河本祥子 訳・絵 岩波書店
【だれにおすすめ?】
どのお話もとてもかわいく、しかも完成された小さなファンタジーで信じる心があれば、誰でも。
自分で読むなら、3年生くらいから。
読んであげれば、5歳児もたのしみます。
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