お姉ちゃんのぬいぐるみに、ジュースをこぼしてしまっためぐちゃん。
お姉ちゃんはカンカンに怒って、2階に行ってしまいました。「どうしよう・・・」めぐちゃんが困っていると、足もとに小さなドアを見つけて・・・
ドアの向こうは青々とした草原。大きなくまが、バスの出発なので早く乗ってくださいと急かします。赤いビロードのレトロなバスの座席には、先客がいました。みんな行き先が違うようです。
中には、目的地についても、降りるのを渋るお客さんもいます。ドアの前で立ち止まってしまうお客さんもいます。そんなとき、くまの車掌さんはすぐに駆け寄っていきます。
そして、とうとう、「にかいー」とアナウンスがあり・・・
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緑の濃い、不思議な空気の風景の中をはしるバス。
作者は、同じく深い空気がとても印象的だった「あめかっぱ」のむらかみさおりさんの2作目。夢と現実の混ざり合った不思議な感覚が独特で、よいですね。
おはなしも、じょうず!
あやまりたいけど、上手にあやまれない、どうしよう・・・そんな、誰でも経験のある気持ち。説教するでもなく、過度に感情に語りかけるわけでもなく、やさしく寄り添っています。