きもち

「4歳になると、子どもは急に天使になるよ」と友だちに言われて、たのしみにしていたのでした。

まさか、まさか、と思っていたけれど・・・4歳になる数日前、ほんとうに、いきなり、娘も、天使のように聞き分けのよいいい子に、なりました。

なんで、そんなに、いい子になったの?と聞くわたしに、曰く

「まず、夢でいい子になって、夢をこころにいっぱいいれて、いい子になった」

って。

今となっては、天使は幻となり、もとの聞かん坊にに戻ったんですけどね。気持ち、とか、こころ、とか、そういうことが、ときどき、会話にでてくるように、なりました。

どんな気持ちなの?としつこく聞くわたしに

「気持ちはこころの中にあるから、そんなこと言ってもわからないでしょ」

なんてね。

ほとんど、文字のない絵本です。

友だちとのおもちゃのとりあいで泣かし
しらんぷりし
そのままお母さんと予防注射にいく途中で捨て猫を見つけ
病院では知り合いに会い
夜はお父さんとお母さんがけんかし
怖い夢をみて
次の朝は・・・

ー いろんな きもちが
うまれては きえ
きえては うまれる。
やさしいきもち おこるきもち
はずかしいきもち おそろしいきもち・・・・

こどもも おとなも
きもちは おんなじ。

でも じぶんのきもちと
ひとのきもちは ちがう。
ひとが どんな きもちか かんがえてみよう。

(本文より)

なんだか、わたしのほうが、”きもち”について、軽く考えていたり、あんまりわかっていないような気がする、このごろです。

 

【この本のこと】

「きもち」
谷川俊太郎 文 長新太 絵
福音館書店

【だれにおすすめ?】

文字は、ほとんどありません。

言葉ではなく、断続的な場面の連なりで、読者の心に訴えます。

対象年齢は、人や自分の「きもち」の動きを意識できる年齢から、でしょうか。

4、5歳でも、わかる子はわかる。
小学生なら、より深く
おとなには、痛いほど
毎日にあふれるたくさんの「きもち」が伝わります。

 

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