ー うちには うさぎが いるんだよ
にわに こやが あるんだ
たんぽぽが だいすきなの
ぼくは
うさぎを なでるのが すき
ときどき うさぎは
そとへ でちゃう
にわを はねまわるのが すきなんだ
(「うさぎ」本文より)
ゆき
もうふ
がっこう
いぬ
とだな
ともだち
うさぎ
あかちゃん
この、「バーニンガムのちいさなえほん」シリーズは、小さな子と対象物との関係を描いた絵本です。文字も少なく、このようなサイズやタイトルだと、幼児向けの「認識絵本」だと思われがちですが、少し趣が違います。
4、5歳くらいの男の子が、身近なもの(人や動物)を紹介してくれているのですが、その視点が、もう、思うがまま。
言葉も気持ちも、多すぎず、少なすぎず、過不足ない語りで、本質を描き出していきます。
これが、見事。
まるで、哲学。
この男の子にとって、それ以上でも、それ以下でもない。
絵本の中でも、暮らしの中でも、おとなが子どもに関わると、ふつうはそうはいかないのです。
飾らず背伸びせずおもねらず、見くびらず。子どもは、自然にそんな絵本をたのしみますが、このシリーズは、こんなに短くにシンプルなのにそんな条件をそなえます。
おとなだって楽しめる、幼児絵本です。
【この本のこと】
「バーニンガムのちいさなえほん」
ジョン・バーニンガム 作
谷川俊太郎 訳
冨山房
【だれにおすすめ?】
読んであげるなら、2、3歳から。
一見ファーストブックのようで、確かに小さな子も楽しめますが、本当はもう少し上・・・4、5歳くらいの子が共感できると思います。
字を読み始めた子が、自分で読むのにも、ちょうどよい。
小学1年生の日記のようだし、教科書に載ってもいいのでは?と思うほどに、よくできた絵本。
何十回と繰り返し開いていますが、その度に、目からウロコが落ちています。