新米の季節が、やってきました!
毎年、9月に入ると、田舎から二斗袋の玄米がやってくるのを、そわそわと待つ我が家。届いたお米を自家精米し(もちろんピカピカの白米に)、鉄鍋で炊き上げると・・・みずみずしい美味しさに、味見でお鍋がからっぽになってしまいそうなほどです。
お米ばなれ、という言葉も聞いたことはありますが、子どもの頃から親しんできた料理の多くが、お米を美味しく食べるように工夫されてきたものたち。とても、離れるなんて、できません。
そんな、私たちの暮らしを支える「ごはん」の絵本、5冊プラスαのご紹介です。
ほかほかを目の前で・・・「おにぎり」
おにぎりが、できあがっていく行程が、それを作り出す手もとをアップに、ていねいなていねいな絵と想像をかきたてる音で、描かれる絵本です。
迷いなく、手際よくにぎっていく、清潔に整えられた、ふっくらとした手は、愛情そのもの。それが、とてもよく伝わり、子どもだけでなく読み手も、じんわりとあたたかな気持ちになります。(1歳半くらいから)
こちらでも紹介しています↓
お天道さまのおかげです「万次郎さんとおにぎり」
秋になり、万次郎さんの田んぼでは、今年も、たくさんお米がとれました。万次郎さんは、とれたてのお米で大きなおにぎりを10こ作りました。ところが、のりが、1枚たりません。待ちきれずに外へ転がりだしてしまったおにぎりたち・・・いったいどこに行ったのでしょう?
食べられることがよろこび。おてんとさまのしたですくすくと育った、お米たちのお話。育まれること、食べること、命の循環に感謝して…未就園児から小学生まで広く楽しめ、大切なことも届く新米の季節に欠かせない絵本です。
こちらでも紹介しています↓
ごはんのメニューのオールスター「ごはん」
たきこみごはん、がいこくごはん、おむすび、おちゃづけ、おすし、かけごはん、どんぶりもの、おかゆ
それぞれ、13種類ずつ。優しく繊細なタッチで描かれたごはんが並ぶ、ただただ並ぶ、それだけの絵本ですが、大きめのページにきちんと並ぶごはんは、器にも気を配られ、眺めるだけで心楽しい。おいしいレストランのメニューを前にしているようにウキウキします。
ご先祖から引き継がれてきた、ごはんへの愛の深さをしみじみと感じる1冊。ごはん食べることが好きな人なら、小さな子も大人も、お気に入りになること間違いなしです。
網戸の向こう側に広がる「きょうのごはん」
1匹ののらねこが、夕方の商店街を歩きながら、おいしそうなにおいのするおうちを、1軒ずつ、のぞいていきます。あるおうちでは、こんがり焼けたサンマ、おとなりは、みんなで作ったカレーライス、そのおとなりは、お父さん得意のオムライス・・・
迫力あるクレヨン画で描かれたごはんが、イキイキほかほか魅力的なのはもちろんですが、背景の部屋の様子や家族の姿から、その日流れていた時間や、それぞれの家庭の積み上げてきた空気が漂い、ごはんをより、美味しそうにしています。
こちらでも紹介しています↓
ドラマチックな2000年の歴史「稲と日本人」
水田のなかった太古から、私たちの祖先は、他の作物と一緒に、稲を育てていました。森を切り開き、倒した木を焼きはらい、その灰を利用して作物を育てる「焼き畑農業」で、畑を使い終われば森に戻し、また新しい焼き畑を作りその近くに住みかえをして、暮らしていたのです。そこに二千数百年前、外国から、水田で作る稲「水稲」がやってきて、暮らしが一変したのでした。
作り直しや住みかえのいらない水稲は、みるみる日本中に広がりましたが、その歴史は簡単なものではありません。自然災害、飢饉・・・その度に、大きな犠牲をはらい、大変な努力を重ね、乗り越えてきました。
稲と日本人の歴史は、壮大です。2000年以上の月日に積み上げられた努力の大半が、一人一人のお百姓さんによるものという事実も、胸を打ちます。
数々の素晴らしい科学の絵本を手がけてきた作者が、10年の時間をかけて書きあげた傑作。じっくり手に取ってほしいです。(小学校中学年くらいから)
おまけ・・・ごはんだけじゃあ、食べられない「おちゃわんかぞく」
おちゃわん おちゃわん おちゃわんかぞく
おちゃわんかぞくが きましたよ♪
おとうちゃわん、おかあちゃわん、おにいちゃわん、おちびちゃわんの、おちゃわん家族。仲間のおはし家族やおわん家族がそろえば、はじまりはじまり。つかの間のにぎやかごはんの時間です。
これがないと、ごはんが始まらない・・・お茶碗たちの絵本。どこかレトロ、ユーモラスで味わいのある絵が踊り、ほのぼのとノリノリがよい具合に混ざります。リズミカルにサクッと楽しめて、くせになります。(2歳くらいから)
いかがでしたか?
数あるごはんの絵本の中でも、ごはんへの愛が深まる、選りすぐりをご紹介しました。親子でたのしんで、より豊かな秋をお過ごしください♪
・・・・・・・・・・
コメント