ああ、たいくつだ!

雨降りや、用事のない日が続くとやってくる、子どもの「やることがない!」攻撃。

遊び道具は山ほどあるし、自分で考えなよ・・・好きなことしなよ・・・と、こちらもイライラするのですが、これは、何も我が家にかぎったことでは、ないようで。

ほら、見てください、この絵本の表紙の少年ふたりの、ヒジョーにつまらなそうな顔!

ああ、たいくつだ!

タイトルページでは、バトミントンコートにバスケットコート、スケボー、ダーツ、クリケット、サッカーボール、バッドやグローブ、ローラースケートにゴムボートにブランコなどなどなど・・・が散らかる庭で、だらっとあくびする、兄弟。

次のページで、もちろん、お母さんに言われます。
「なにか、しなさいよ!たいくつだなんて、なにいってるの!」

追い出されて、ダラダラと向かった先は物置小屋で、なんとなく、「なんかつくる?」というはなしになって・・・見つけてしまうのです。壁にかかった、古いプロペラを。

そこからの、小中学生男子のこのエネルギー。

この行動力。
没頭ぶり。
後先考えないっぷり。
目的のためなら手段も選ばないっぷり。

車輪、シーツ、窓、ドアの蝶番、椅子、コンセント、垣根、植木鉢、車のエンジン・・・両親が、家中のものから部品がなくなっているのに気がついたときには、もう、ふたりは空の上なんだから!

(そう、彼らは、なんと、ひこうきを作ってしまったのでした。)

ここまでやってくれたら、親としても、怒りつつも、こっそりとうれしくならずにはいられませんよね。

もちろん、怒られて、片付けさせられて、2階にあがってベッドのうえで「たいくつだなあ」と言いはじめたふたりが、まわりに散らばる次の興味の種を見つけてしまうまで、ですが。

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たいくつな時間は、アイディアや創造力の源。

習い事で忙しく、ゲームやテレビでかんたんに時間をつぶせてしまう子どもたち。今度、やることがない!と言ってきたら、「思う存分たいくつしなさい」と、大きな心でほうっておいてみましょうか。

 

【この本のこと】

「ああ、たいくつだ!」
ピーター・スピアー 作
松川真弓 訳
評論社

【誰におすすめ?】

読んであげるなら、5、6歳から。文字は少ないですが、小学生のひとり読みにもおすすめです。

同じ作者の「雨、あめ」の、雨の日の散歩も、「きっとみんなよろこぶよ!」の、ペンキ塗りもそうですが、思う存分!!のたのしさがいっぱいで、それが、とてもとても、わくわくします。

思う存分!って、いい言葉ですよね。