おなべおなべにえたかな?

絵本には、おいしそうな食べものがたくさん出てきます。

タルトにパイ、プディング、レモネード、マーマレード。つながったソーセージにザワークラフト。しょうがいりクッキー、うすくて積み重なったパンケーキ・・・

ブルーベリーだって知らなかった、子ども時代。食べたことがないからこそ、いっそうその味がこころに刻まれていきました。

今は、そんな外国の食べものもずいぶんと身近になり、子どもたちにも手が届くものもふえました。でも、それでも、絵本の中には、どうしても想像することしかできない、おいしそうなものはあって、やっぱり、年々、想いは募るのです。

たとえば、こんな、春の味。

きもちのいい、春の日。

こぎつねのきっこと、いたちのちいと、にいは、たんぽぽをたくさん摘んで、おおばあちゃんのうちに行きました。

おおばあちゃんは、ちょうど、庭先に出て大きなおなべでおいしそうなにんじんスープを煮ていたところ。

そこでみんなでお手伝いをしていると、おおばあちゃんは怪我をしたからすに呼ばれて、ちょっと出かけることになりました。

さあ、子どもたち、じょうずにおなべの番ができるでしょうか・・・?

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おおばあちゃんの、とろーりほかほか湯気たっぷりで、ひとくち食べたらとまらない(だからあんなことに!)にんじんスープも、もちろん、おいしそう。

でも、ついついおなべを空っぽにしてしまったきっこたちが、おなべに教わりながら作った「たんぽぽいりの豆スープ」ときたら・・・!

どんな味なのかな。

おなかがぷっくりふくれた、満足そうなみんなの様子を見ても、そうとうおいしいに、違いないのです。

想像するだけでしあわせな気分になれる、春いっぱいのスープのおはなし。

【この本のこと】

「おなべおなべにえたかな」
こいでやすこ 作
福音館書店

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、3歳くらいから。

きつねのきっこのシリーズは、春のこの絵本の他にも、夏、秋、冬も出版されていて、どれもとってもおもしろいおはなしです。

ページのそこかしこに季節がしっかりと息づき、ストーリーには出てこない小さな生き物たちも物語を広げてくれています。