小さくてかわいくて働き者の
うえきやのくまさん。
くまさんの朝は、赤い手押し車に仕事道具を積み込むことから、はじまります。
いつでも礼儀ただしいくまさんは、ご近所でも愛されるうえきやさん。
どこのうちでも暖かく迎えてくれるし、くまさんの作った野菜は、おいしいと評判です。
くまさんの毎日は、いつも通りの仕事と、ちょっと特別なこと(お茶をごちそうになったり、お菓子をもらったり)で過ぎていき、1日のおわりにゆっくりお茶を飲んで、それから、また明日に備えてベッドへと向かいます。
年月が築いた、
気持ちいいリズムの
マイペースな1日。
テディベアそのもののようなくまさんが、人間たちの間でしっかりと働いている姿は、なんだか不思議で、ほほ笑ましく。
かいがいしくて、応援せずにはいられません。
だから、くまさんのお店がみんなに愛されていたり、くまさんの仕事がよろこばれたりすると、なんだかこちらまで、とてもうれしくなってしまいます。
この絵本のもうひとつのお楽しみは、くまさんのお部屋や、庭や仕事場の、インテリア。
どの部屋にも、すてきな暖炉があり、
壁紙だって、とてもおしゃれだし・・
細やかに描かれた隅々までみていると、くまさんの趣味や、普段の生活が、伝わってくるのがうれしいです。
丁寧に描かれて、丁寧な言葉で語られる、
くまさんの丁寧な生活。
愛らしい絵本は、全部で、5冊でています。
【この本のこと】
「うえきやのくまさん」
フィービとジョーン・ウォージントン 作
まさきるりこ 訳 福音館書店
【だれにおすすめ?】
読んであげるなら、3歳くらいから。
ぬいぐるみのようなくまさんが一生懸命に働く姿に、小さな子は共感すると思います。
わたしは、小学生になっても、この絵本が好きで、よく眺めていたのを、覚えています。
部屋の隅々、道具やインテリアのひとつひとつが、本当に魅力的で・・・
壁にかかる写真で、くまさんの人生を想像したり、楽しみの尽きない絵本です。
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