大きな判型で、おしゃれな色彩とイラスト。ダイナミックと繊細を兼ね備えた、フランスの仕掛け絵本「世界で一番美しい切り絵人体図鑑」をご存知でしょうか?
その作者による「切り絵・しかけ図鑑」 が3冊続けて翻訳されました。
「海洋を冒険する切り絵・しかけ図鑑」では、めくるたびに深く進む海の様子、満ち引き、波の仕組み。
色鮮やかでレースのような切り絵の珊瑚礁をめくれば、その後ろで繰り広げられる海の劇場があらわれ、長く大きく伸びるサメのお腹の中に食物連鎖を見る。海底火山も深海も北極や南極も、めくることによって深く広くその世界が表現されます。
「天空を旅する切り絵・しかけ図鑑」は、エジプト神話を紡いだ古代の空から始まります。大気圏のこと、植物や生き物にとっての空、雲、太陽、星、宇宙・・・空とは?が網羅されます。
どちらも、科学と文学と芸術が見事に融合され、図鑑として物語としてアートとして、どのアプローチからも楽しめます。
大判のページに、血管一本一本まで切り抜かれた、信じられないくらい繊細で美しい切り絵。めくったり広げたり、どの仕掛けにも意味があり、それによって理解が深まるように工夫されていて、感嘆します。
最後に、「出産を巡る切り絵・しかけ図鑑」。生殖器、受精、細胞分裂から、少しずつ成長していくお腹の中の赤ちゃんの月数ごとの様子(早産、双子、赤ちゃんの五感なども)が上の2冊と同様、美しい切り絵や仕掛けで、描かれます。
私は、今まで見たどの妊娠の本よりもわかりやすく、体の中で起きていることが実感できると、思いました。
実際に妊娠中に読むには、わかりやすすぎる(すぎて怖い)かもしれないけれど、産後少し経ってから出会っていたら、出産の記念に購入していたな・・・!
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この数年、自然科学系を中心に、今までにない絵本を出版している化学同人さんのサイトから、このシリーズの中身も、少し覗けます。
実際に手に取ってみないと、この仕掛けの素晴らしさは伝わりませんが・・・他にも面白い本が並んでいるので、見てみてください♪