「お片付けできないと、サンタさんこないよ」なんていうセリフが、あちこちからきこえる、12月。
子どもたちは、いい子リストからもれては大変とがんばりますが、でも、ほんとうに、そうなのかな?
サンタさんは、いい子のところにしか、きてくれないのかな・・・?
サンタクロースからもらったプレゼントのお菓子をすぐにたべてしまった子うさぎのましろは、もっとなにかがほしくなり、別の子のふりをして、ちいさなたねをひとつ、もらいます。
でも、帰り道。
うそをついてしまったことを 後悔したましろは、そのたねを、神様に返すために、雪の下深くにうめます。
そして、その神さまのたねから出た芽は、次のクリスマスに・・・・
ほんとうのサンタクロースは、うそをついている子も、受け入れるのでしょう。
うそをついて苦しいこころを、思いやるのでしょう。
悪い子の自分をも受け入れてもらえたら、子どもはどんなに安心することか。
その気持ちに報いたいという思いには、小さなたねを、不思議な美しいもみの木に成長させるほどの、力があるのでしょう。
子どもたちのすべてを包む、サンタクロースの、深い赦しとやさしさが、いつまでも心に残る、物語。
子どもたち、大丈夫だよ。
【この本のこと】
「子うさぎましろのお話」
佐々木たづ 文 三好碩也 絵
ポプラ社
【だれにおすすめ?】
読んであげるなら、4、5歳くらいから
おだやかで、やさしく、子どもたちに伝えたいことのある、しっかりとした物語。
嘘をついてはいけない、という教訓ではなく、大丈夫、ということを、伝えます。そして、おとなには、赦し受け入れることの大切さを。
40年も前に描かれたクリスマスの絵本。クリスマスの精神がつまっています。