文字も、ストーリーもない絵本です。
ページをひらき
しっとりと静かな、森のなかへ・・
なんてことのない森の風景。
でも、あたりをみまわしてみてください。
たくさんの動物が息をひそめているのが
わかりますか?
そう、これは、探し絵の絵本です。
かんたんにみつかるものもあれば、アリのように、ちいさくてみつからないもの、人間のように、おおきすぎてみつからないもの・・・なにしろ、多いところには、見開きで20頭(匹)以上もの動物がかくれているのですから。
目をじっとひらいて、すみからすみまで、丁寧に。
1枚の絵を眺めるように。
まるで本当の森の中で、枝の向こうや草むらの陰に生き物の気配を探すように・・・ そよ風で木の葉が動いただけでも、敏感に反応するように・・・ゆっくりゆっくり、森の散策をたのしみます。
あまり夢中で、奥に進みすぎると、ほんとうはいないはずの動物まで、見えてしまうかもしれませんので、ご注意を。
【この本のこと】
「もりのえほん」
安野光雅 作 福音館書店
【だれにおすすめ?】
文字はタイトル以外ひとつもないので、読めません。
親子で一緒に眺めるのもたのしいと思いますが、おとなは、すぐに、答えを知りたくなるし、教えたくなってしまいます。それはとてももったいない。
わたしが子どもの頃持っていたこの絵本はペーパーバックで、たぶん、答えあわせはなくて、誰も教えてくれないし、何年も飽きずに眺めました。
今出版されているものは、巻末に答えあわせが載っているのですが、塗りつぶしてしまえば、一生、森をさまよえますよ。
もりのえほん 安野光雅の絵本 新版/福音館書店/安野光雅
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