ーさあ、クリスマスツリーの かざりつけです。
もみのきに かざりを つけるのは おおしごと。
だれにでも できるわけでは ありません。
「エリーちゃんのクリスマス」より
ちいさなエリーちゃんは、お友だちの動物たちと、ツリーのかざりつけをしました。
みんな一生懸命に働いて、すてきにできたツリーでしたが、てっぺんのお星さまがありません。エリーちゃんは、お星さまをさがしに、雪の中をひとりででかけていきました。
出会う人や動物たちにききながら、森の中を、探していると・・・
ツリー、星、ココア、サンタさん、お星さま、etc・・・クリスマスにかかせないものたちが、次々に登場。だれのこころにも、まっすぐに届く、素朴でささやかな、クリスマスのおはなしです。
まっ赤な表紙も、かたちも、大きさも、見開きに描かれた、たくさんのクリスマスのかざりも、エリーちゃんも、仲間たちも、小人のような、小さなサンタさんも!
なにもかも、愛らしい、の、ひとことです。
記事の最初に紹介した文章。小さなエリーちゃんや仲間たちの心意気に笑顔になります。
一年ぶりに目にする、大切な飾りをひとつひとつつるしていく。ほんとうに、ツリーの飾りつけは大変で、楽しくて、誇らしい大仕事ですよね。
この小さくてささやかな絵本の、ことばのはしっこに、表情に、揺るぎのないクリスマスが宿っています。
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【この本のこと】
メアリー・チャルマール 作
おびかゆうこ 訳 福音館書店
【だれにおすすめ?】
はじめてのクリスマスのお話の絵本にぴったり。
3歳くらいの小さな子からたのしめますが、おとなの人がひと目で気に入って選んでいくことも多いです。
赤くて、素朴で、ほっとけない感じがして・・・
ページを開くと、見開きからかわいく、サンタさんが出てくる場面で、きっと、みんな、やられてしまうでしょう。
わたしも、最初にこの絵本を手にしたとき、サンタさん登場の場面に釘づけになりました。思わず「きゃー」と叫んでしまうくらい、かわいいサンタさん。今までずっと心に描いていたのとは、あちこち違う。小さくて細くて、靴も帽子もなんか違う。けど、ひと目で大好きになっちゃう。
「にいさんといもうと」のチャルマーズの、1956年の絵本です。