小鳥の歌をきいていた
小鳥の歌をきいていた
暗闇にひびく
魔法のような歌
おもいだしても 心たのしい「春は こんなに近づいた
九月のときに くらべれば」
小鳥がうたうのをきいていた
十二月の暗闇にひびくのをオリバー・ハーフォード
「おうちをつくろうークシュラにおくる詩集」
夜が一番長い日。
長く寒い夜の中にいると、冬のまっただ中・・・あたたかい季節とは反対だと思っているのですが、今日を過ぎれば、あとは少しずつ少しずつ日が伸びていくのですね。
夏が終わり、まだビーサンで過ごしていた時よりも、今のほうがずっと、春に近い。
この詩を知ったときからずっと、この考え方が心の隅にあります。
ドロシー・バトラーの編んだ、この2冊のアンソロジー詩集。(上の詩がはいっているのは「おうちをつくろう」です)どちらも、たくさんの海外の詩人、童謡などから選び抜かれた詩が並びます。
この本に出会ってから、もう30年近く、海外からの子ども向けの翻訳の詩集で、これ以上にたのしいものを手にしていないと思います。
詩もいいし、訳もいいし、ドロシー・バトラーの前書きもすごくよく。
詩っていいです。短いし。こんなに短いのにちゃんと物語。もしくはその雄弁さで、考えや景色や会話をすごく広げてくれます。
うちでは、子どもたちが小さかったときから、今にいたるまで、寝る前の読み聞かせで活躍しています。(短いから!なのに、満足できるの)
絵本はこんなにたくさんあるのに、子ども向けの詩集は、そう多くありません。中でも海外の子ども向けの詩の翻訳は少なく、この本が、今も手に入ること、それだけで日本の出版文化を讃えたくなるほどです。
だって、この1編を毎年読み返すためだけでも、手元に置く意味がありますよ。
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