とおい北の国フィンランドに、コルバトントリという山があります。そこには、サンタさんと小人のトントゥたちがいっしょにくらしている村があるんですよ。
「サンタと小人の国のお話集」はじめに より
サンタさんには、はたらきもののおくさんがいます。トントゥのなかには、なまけものもいます。
さあ、サンタの国では、いったいどんなクリスマスをすごしているのでしょうね。
北欧のこびと
サンタクロースが住んでいるのは、コルヴァトゥントゥリという村だといわれています。
コルヴァトゥントゥリは、スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・ロシアの4カ国にまたがるラップランドにある山で、そこでサンタクロースが小人たちと暮らしているそうです。
もともと、北欧では、小人は家畜や納屋を守ってくれるとして、大切にされていました。(それも遡ればもともとその地に住んでいた小柄な牛飼いの種族が先祖になるとか)
その小人たちは農家の納屋に住み、その家族が平穏に暮らせるように、夜中に見回りをしたり家畜の世話をしてくれます。そしてそのかわりに、農家の人たちは小人を大切に扱い、クリスマスにはお粥を用意します。
この小人を語った有名なリードベリの詩が、絵本にもなっているよ♪
小人や妖精が、ただやさしい親切なものではないことは、物語を読む人なら知っていると思います。いたずら好きで、瑣末な扱いをされたり嘘をつかれたりすると怒って仕返しをしたり・・・北欧の小人もそんな気質も持っているそう。
その小人たちを、スウェーデンではトムテ、ノルウェーやデンマークではニッセ、フィンランドではトントゥと呼びます。
クリスマスと小人
北欧では、ずっと昔から、冬至のころに自然崇拝の「ユールの祭り」というのが行われていました。
その後、バイキングの時代に、キリスト教が北欧に入ってきます。その頃のキリスト教は1月6日にお祭りをしていましたが、それがユールのお祭りと少しずつ融合していきます。
ユールに限らず、世界各地で祝われてきた12月のお祭りや伝統が、キリスト教の広がりとともに、クリスマスに変化していったんだって!
北欧のクリスマスでは、昔から親しまれてきた小人が”ユールの小人”となって、サンタクロースのかわり。スウェーデンのリンドグレーンの童話など描かれるとおり、ユールの小人のプレゼントの受け渡し方法は手渡しらしいです。
スウェーデンのトムテ
とうさんトムテはむすめは、夜がふけると、むすめさんたちの仕事べやへしのんでいき、ランプのねじをまわしたり、ろうそくのしんをぬらしたりして、あかりをけします。(中略)
とうさんトムテは、むすめさんたちがベッドにはいると、家の中を見てまわり、ドアやまどにかぎはかかっているか、かまどの火はきえているか、きちんとたしかめてから、台所の床下へ帰っていきました。
「おもちゃ屋へいったトムテ」より
人形作りの姉妹の家の床下に住んでいる小人の一家。その子どものひとりが、ちょっとしたいたずら心から、間違えて人形として町のおもちゃ屋さんに送られてしまいます。そして、そこで出会った少年と心を通わせていく幼年童話「おもちゃ屋へいったトムテ」。作者はリンドグレーンと同様に世界中で読まれているスウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフです。
ノルウェーやデンマークのニッセ
デンマークといったら、アンデルセン!
日本で絵本化もされている「食料品屋の小人の妖精」(絵本は”小人のすむところ”)など、小人と日本語では訳されていますが、原題ではNISSEN。この物語、小人のありようが自分で見ているようにありありと描かれます。お粥の大事さも・笑
ノルウェーの絵本はあまり知らないけれど、スプーンおばさんの作者の童話集「しあわせのテントウムシ」には、”クリスマスの小人”がでてくるお話があるので、きっとこれがニッセなんだろうな。
↓ わたしは、昔、このニッセ人形を集めていて、今もドールハウスに住んでいます♪
フィンランドのトントゥ
サンタ村もあるフィンランドは、まだ実際はだれも見つけたことのないサンタクロースの居住地の最有力候補なかんじになっていて、そのせいか、サンタの手伝いをする小人”トントゥ”もよく知られています。
フィンランドの絵本作家マウリ・クンナスが、サンタクロースとたくさんの小人たちの暮らしを詳細に描いている絵本が日本でも何冊も出版されてとても人気があり、これもまた、認識アップに貢献しているのではないでしょうか。
そういえば、ユールトムテ、ユールニッセは、それ自体がサンタクロースの役目なのに対して、トントゥはお手伝い。詳しい文化はわかりませんが、同じ北欧の小人でもどこかで流派が分かれているんですかね・・・
いかがでしたか?
今は、かわいい雑貨も多く、北欧の小人さんたちもずいぶん身近な存在になりました。わが家も、あちこちに小人さんたちが・・・・
絵本と合わせると、さらに興味が広がっていきますね♪
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