すっかり秋の行事の定番になった、ハロウィン。
今では、日本でもたくさんのハロウィンの絵本が出版されていて、海外で長く楽しまれているものが翻訳されている多く、どれにしようか迷ってしまうくらい。せっかくのこの季節、絵本でもハロウィンを楽しみたいですよね♪
とはいえ、秋に読みたい絵本はたくさんあるし、そんなにハロウィンの絵本ばかりそろえてもなあ・・・とも思ってしまう、日本人のわたしたち。
ハロウィンにピッタリだけど、ハロウィンではない。ハロウィンにピッタリだけど、ハロウィン以外にも楽しめる。そんな絵本を紹介します。
秋のたのしみ
「いまはあき」
春・夏・秋・冬ー季節ごとのたのしさをぎゅっとつめこんで手のひらに届けてくれる(サイズは12×14cm!)小さな絵本のシリーズ、秋の巻。歌うように弾む言葉と、かわいらしく、愉快でたのしげな絵で、秋をたっぷりと讃えます。
色づく葉っぱ、落ち葉の山、ながい雨、りんご、木のみ、南へ渡るとりたち、ハロウィンの仮装やかぼちゃに、感謝祭の七面鳥、いただきますの前のみのりや自然への感謝ー
季節が巡ってくるたびに思い出す、大好きなことが、たくさんでてきます。絵本にあたらしく教えてもらって、好きになることもたくさんあります。ハロウィンだって、この絵本が日本で出版されたときには、まだ根付いていなかったな。
青くて高い空の、すばらしい秋のはじまり。めくるたびに秋の楽しさが流れる、こんな、こころはじける絵本をどうぞ♪(3歳くらいから)
ハロウィンといえば・・・かぼちゃ!
「かぼちゃスープ」
世界一おいしいかぼちゃスープをつくる、なかよし3人、ねことりすとあひる。森の中の小さな家に一緒に住み、毎日歌って、スープをのんで、愉快にくらす。かぼちゃスープをつくるときには、ねこがきりわけ、りすがかきまぜ、あひるが塩で、味つける。ちゃんと役目がきまってて、けんかなんておこらない。はずが・・・
歌うようにはずむ、テンポのいい言葉と、大きめの絵本からも、喜怒哀楽ごとあふれてきそうな、ほっかほかに元気がよく、見応えのある絵。おいしいかぼちゃスープが、ページから飛び散る、とろーり、ぴちゃ、ぴちゃ!
ハロウィンに欠かせないかぼちゃ。の中でも、子どもたちの大好きなかぼちゃスープを、こんなにも楽しく美味しそうに描く絵本は他にありません。家族や仲間とかぼちゃスープが飲みたくなること、そしてまた絵本がよみたくなること、それはもう、まちがいなし!(4歳くらいから)
絵もテキストも、他にない世界観でほんとに楽しい♪
こちらにもう少しだけ詳しく紹介しています ↑
この絵本が品切れって・・・?!
「はしれ!カボチャ」
むかしむかし、田舎のおうちに、小さなおばあさんが住んでいました。ある日、おばあさんのもとに、まご娘の結婚式のお知らせが届き、おばあさんは大よろこびで出かけていきました。ところがその道で、オオカミに出くわします。「ばあさん、おまえを くってやる!」とほえるオオカミに、おばあさんは、結婚式から帰るときにはもっと太っているから、と話します。そのあとに会ったクマも、ライオンも同じように説得し、いざ楽しい結婚式の帰り道・・・さあ、おばあさんは、どうしたのでしょう。
ポルトガルの昔話ですが、おちゃめな現代風の絵にかかるとユーモラスでポップな物語に変身!大きなカボチャの中に入って、走り抜けるおばあさん。オオカミたちを出し抜くときに繰り返される歌も、とっても楽しいんです♪
ハロウィンとか感謝祭という言葉は出きませんが、見返しにはいろんな表情のカボチャがずらり。カボチャ色を基調にしたカボチャ大活躍の絵本で、やっぱりハロウィンに読みたくなる1冊です。(3、4歳くらいから)
ハロウィンといえば・・・おばけ!
「おばけやしきにおひっこし」
町外れにあるお屋敷に、マージョリィが猫のオスカーとおひっこし。とってもすてきな建物だけど、ここには秘密があるんです。それはここが・・・おばけ屋敷だってこと!でもだいじょうぶ。マージョリィただの女の子じゃなくて・・・魔女なんです。
「おばけってかわいい♪」マージョリィは、おばけをつかまえて、洗濯して、干しちゃう。カーテンにしちゃう。それから、まだ残っていたおばけをつかまえて・・・?
オレンジと黒の2色の版画の上に、ふんわりしたおばけ。これぞハロウィンの雰囲気ですが、ハロウィンは出てこないので、一年中本棚にいてもらえます。
版画ならではのパキッとした線、すっきりしていて自由な構図の絵は、どのページもご機嫌♪リズムいい言葉と一緒に、ぴょんぴょん跳ねるようにお話しがすすみます。いつも、ちょっぴり思いがけない展開が待っていて、ページをめくるのが楽しいです。(3歳くらいから)
短いのに楽しいから、何度でも読んじゃう♪
「おばけまほうにかかる」
なかよしおばけはおやすみ中。左から2番目のリュシーは、変身ごっこが大好きな女の子。魔女の帽子をかぶって寝ています。だけどなんだかくるしそう・・・その頃、別のお城では、魔女がリュシーそっくりの人形を作っています。人形であやつられたリュシーは、眠りながら外へ・・・だいじょうぶかな・・・・?
おばけが魔法にかかるなんて、可笑しい! でも、その魔女の魔法、ちょっとしたいたずらと思いきや、よくできてるんです。操られながら、山をこえて水の中を歩いて向かうところは魔女のお城のお鍋の中って・・・カエルくんの機転で助かるし、人形を自分で操っちゃうリュシーのただじゃ起きなさで事なきを得るんですが、けっこうドキドキします。
カボチャがあちこちにゴロゴロしているし、最後に魔女が変えられてしまうのはジャック・オ・ランタン。魔女とカボチャはイメージでつながっているのかな。(3歳くらいから)
なかよしおばけのシリーズは、たくさん出ています。ゆるっと可愛いくて、クスッと笑えるユーモア絵本なのだけど、ちゃんとおばけらしさを生かした展開があってしっかり楽しい。これ↓が1作目です。
「おばけと友だちになる方法」
おばけって、じつはとってもかわいい生き物で、人間と同じように友だちをほしがっているって、知っていましたか?仲よくなるのに、ぴったりなんだそうです。
まず、覚えておかなければいけないのが、おばけは見つけるものではなく、おばけに見つけてもらうものだということ。もし、おばけに見つけてもらえたかも、と思ったら、チェックシートでその生き物がほんとうにおばけなのか、確かめます。さあ、そしてそこからがこの本の出番。
第1部 おばけの基本〜第2部 おばけのせわ(食べもの・遊び・睡眠・すみか・きけん)〜第3部 ずっといっしょに
おばけの体の中に手を入れるとお腹をこわしてしまうとか、うめき声の子守唄とか、間違えられやすい食べものとか、教わらないとわからないことばかり!人間がおとなになって、年をとってからのおばけとのお付き合いについても書かれていて、愛にあふれています。
命が尽きたあとも、友情は続くんだって!素敵!
モノトーンに赤系の差し色が、とてもおしゃれなカナダの絵本。真剣で丁寧なアドバイスにくすくす笑えて、大きな子たちが自分で読んでもおもしろい。こんなことを考えて生きていたいなって、おとなだって楽しくなっちゃいます。(4歳くらいから)
ハロウィンといえば・・・魔女や魔物たち!
「魔女の子どもたち」
風がビュービュー吹いているある日のこと。魔女の子どもたちが公園にやってきました。ハトやリスは大慌て。「魔女の子どもたちだ!きっとまた、ひとさわぎおこるぞ!」
そのとおり。池に浮かばせていたおもちゃのヨットがひっくり返ってしまい、困っている女の子に魔法をかけて・・・カエルに変えてしまいます。ヨットは取ってこられたけれど、元に戻す魔法はわからない子どもたち。公園のあれこれをお城に変えて、お姫さまからカエルにキスする魔法を思いつくも・・・今度はカエルは王子さまに。みんながとうとう怒り出し、ずっと笑い転げていたいちばんちびちゃんが、たったひとつ知っている魔法を使います。それはね・・・
不穏な空気、次々にまき起こる騒動、ちびちゃんの最高の魔法! この先の読めないストーリーに独特のイラストがピッタリ。この事態に収拾をつけるのは、やっぱり、あれっきゃないね♪
魔女の子どもも、読んでもらってるみんなもおんなじだねって、うれしくなってしまいます。(4歳くらいから)
「しゃっくりがいこつ」
ヒック、ヒック、ヒック。朝起きたら、しゃっくりが出ていたガイコツ。歯を磨いていたらアゴが飛ぶし、骨のお手入れしてたら腕が抜けるし、ハロウィンのカボチャもうまく作れないし、ガイコツのしゃっくりも大変なんです。
息を止めようとしても・・・砂糖を食べようとしても・・・指で目玉を押さえようとしても・・・水を飲もうとしても・・・いろんなしゃっくりの止め方を試してみても、ガイコツならではの困難があってうまくいきません。そんなガイコツに、友だちのおばけが思いついた方法は・・・?
大きくてわかりやすいイラストに、シンプルだけどユーモアたっぷりの「ガイコツあるある」連続の展開で、幅広い年齢の子どもたちにウケる、読み聞かせでも一年中人気のある絵本です。(4、5歳くらいから)
「まじょのキッチン」
これは、しかけ絵本です。最初に手にしたおとなは、みんな、なるほど、と唸ります。
舞台は魔女のキッチン。「まじょのキッチン れいぞうこには なにがある?」右ページの冷蔵庫の扉を、右開きか左開きか、好きな方を選んで開けてみましょう・・・左に開けば、はいチーズ。でも右に開けば、なんとコウモリ!
ボウルの中には、ポップコーンorカエルのたまご。オーブンには、チェリータルトorおならをしているとかげ。ポットには、お菓子の缶には、トースターには、戸棚には・・・・?
同じ場所なのに、開く方向が違うと、別の絵が出てくるしかけになっています。どちらかは当たり、どちらかはハズレのモンスター食になっているので、子どもたちに自分でどちらかに開いてもらうと楽しいです。大勢の読み聞かせの隙間などでも、盛り上がる1冊です。(4、5歳くらいから)
「魔法のホウキ」
魔女のホウキは、普通は、だんだん力が弱くなって取り替えの時期になるそうです。ただ、例外中の例外で突然前触れもなく魔法の力を失って墜落してしまうことがあるらしく、このお話は、ある秋の月夜にそんな憂き目にあった魔女を一日世話した後家さんと、魔女が残していった一本のホウキが主人公です。
最初はただせっせと掃除しているだけだったホウキは、すぐにニワトリや牛の世話や薪割り、ピアノを弾くことすら覚えて楽しく暮らしていましたが、それを面白く思わない近所の一家がいて・・・
この表紙の佇まいがまず、すごくかっこいいのです。セピア色の絵と同様に静かな口調で語られるのはは、幻想的なベールを纏ったじんわりと不思議な物語。ウィンクするようなユーモアの味付けが、またかっこいい。テキストを囲うのはカボチャの枠で、ハロウィンの雰囲気もバッチリです。(6、7歳くらいから)
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いかがでしたか?
ハロウィンでもハロウィンじゃなくても、楽しみたくなる絵本たち。この時期に棚に飾っておくだけでも雰囲気がでます。
時間がなくても簡単にできる、子どもと作るハロウィン飾りのアイディアも、こちらのサイトに書いていますので、よかったらどうぞ♪
こんなゲームも、盛りあがるよー!
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