静かな夜、お母さんが赤ちゃんを抱っこして、夜の中へ散歩に出かける。こもりうたのように、詩を口にしながら。
ー Stormy Moon
1がつは あらしの おつきさま
きりの なかで
こおりの なかで
おおかみの せなかで
おつきさまは きらりと きらめく
みつけよう つきの ひかりを
みつけよう うちに かえる みちを
(本文より)
むかしむかし、ネイティブ・アメリカンが満月につけた、12の美しい名前。
白くくっきりと浮かぶ、2月のSnow Moon
ほんのりと色づいた、6月のStrowberry Moon
朝がくるのを信じて、待ち続ける、12月のLong Night Moon
親しみやすいその名前が、ひとつひとつの月に添えられた言葉が、それはそれはやさしく響き、読む人を包みます。
一日が終わるころ、ひっそりとはじまる、もうひとつの時間。
大地を映し、ゆるやかに表情を変えるおつきさまに見守られながら、静かに息づき、驚きを秘め、朝へむかって流れる時。
月夜をそのまま、そっと包んで、目の前でほどいてみたような、静かで、力強く、親密な、ひとときを。
あなたのおつきさまは、なんですか?
【この本のこと】
「ながいよるのおつきさま」
シンシア・ライラント 作
マーク・シーゲル 絵
渡辺葉 訳 講談社
【だれにおすすめ?】
詩の絵本なので、あまり年齢は問いません。
小さな子は、意味がよくわからなくても、耳を傾け、絵の中にはいることはできます。
小学校の読み聞かせにも。
十二の月に、美しい名前と言葉が添えられているので、出産祝いにもおすすめしています。
月が好きな人は多いので、そんな方への贈り物にもよろこばれると思います。
ながいよるのおつきさま /講談社/シンシア・ライラント
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