【海の絵本】夏はやっぱり♪出かけたくなる海の絵本 おすすめ11冊

鎌倉に住んでいるので、春も秋も冬も、毎日のように目にする海ですが、いつもの海がみんなの遊び場になる夏休みは特別。おだやかな朝のうちにドボン。立ち並ぶ海の家、遊びにきている人たちがまとう開放感……目にする色も、聞こえてくる音も、いつもより鮮やかで刺激的です。

やっぱり、夏は、海。海は、夏。

海に行きたくなる、海の絵本。よりすぐりの11冊のご紹介です。

1 海のお楽しみといえば、やっぱり海水浴!

「ピッキーとポッキーのかいすいよく」

まずは、この、大好きなシリーズ!

うさぎのピッキーとポッキーが、友だちのもぐらのふーちゃんとねずみと一緒に、いかだに乗って海水浴に出かけました。いかだには、たっぷりのお弁当。途中の店で必要なものと物々交換をしながら、海を目指します。

海について、楽しく遊んでいたところ、いたずら者のたこが来て・・・

くっきりとした色の、シンプルな線のイラスト。親しみやすいキャラクター。しかも、村の地図付き! のどかな中にも、事件が起こり、最後まで釘付け。子どもたちが大好きになるツボがいっぱいです。(2歳くらいから)

こちらにも記事があります→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/pikipoki-umi/

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著者:あらしやまこうざぶろう, あんざいみずまる 幼児絵本シリーズ 出版社:福音館書店

「ねずみのかいすいよく」

7つごのねずみたちの通う「ちゅうがっこう」は、明日から夏休み。海に行こう、というお父さんの言葉に、こねずみたちは、あれしたいこれしたいと大よろこび。お父さんは、7つごたちが迷子になったりけがをしたりしないよう、浮き輪を7つ作り、それぞれに長いひもをつけました。

電車に乗って、やってきた海は、超満員。がけの下の静かな入江を見つけたねずみの家族は、そこで、思い思いに海水浴をたのしみます(もちろん、浮き輪のひもは、お父さんが岩の上でしっかりと持ってね)。ところが、お弁当のあとにお昼寝をしていると、思いもよらないことが起こり・・・

家族思いのお父さんの、ちょっぴりかっこ悪い一面も、海水浴の忘れられない大切な思い出。終わりよければすべてよし、帰り道の姿がそれを物語ります。(3歳くらいから)

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著者:山下 明生, 岩村 和朗 出版社:ひさかたチャイルド

「だるまさんかぞくのかいすいよく」

森のマンションに住むだるまさん家族は、海へあそびにいくことにしました。松林をぬけると、海。ビーチパラソルをたて、しきものを広げ、さあ水着を着て泳ぎましょう♪

丸くて固くてつるつるのだるまさんたちには、向いていないことが、いろいろあるんです。水着はすぐに脱げちゃうし、顔は墨で描かれているので「だるまのかおていちゃくえき」が必要。お昼寝するとてんでバラバラに転がっていっちゃうし・・・でも、そこはだるまさん、七転び八起きで何があっても前向きに楽しんじゃう。おうちに帰ると、心地よい疲れでいっぱいになっているのでした。

準備体操も、丸いものばかりのお弁当も、そもそもその姿からして、ほのぼの愛らしいだるまさん家族。小さい子も楽しめますが、クスリとする小ネタもいっぱいなので、小学生が自分で読むのにもおすすめです。(4歳くらいから)

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著者:高橋和枝  出版社:教育画劇

「おーなみこなみざぶん!」

こちらは、なんだか懐かしい、海水浴。

おーなみこなみ、かーぜがふいたら、まわりましょ♪昔からあるわらべうたのリズムに、夏の海辺の楽しさをたっぷり詰め込んだ言葉と絵を乗せた絵本です。

最近のおしゃれな海の家と違い、畳にラーメンのような懐かしい雰囲気の海の家や人々が集う海の様子から、夕立、海から帰っての行水、ひまわり、かき氷、夜店、花火、うちわであおがれて眠る夜まで。隅から隅まで、夏の風物詩が描かれ、あっちにもこっちにも遊び心。

和製ハワイアンの似合うその光景は、そう、これこれ!と日本人なら誰でも共感できるような、あの海辺の夏休みが描かれています。(4歳くらいから)

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著者:長野ヒデ子, 西村繁男  ヒデ子さんのうたあそびえほん  出版社:佼成出版社

2 まねっこすれば、泳ぎも上手に♪

「ぐりとぐらのかいすいよく」

海辺であそんでいたぐりとぐらは、波に光るものが浮かんでいるのを見つけます。流れついたのは、とうもろこしの皮をおなかにまいた、ぶどう酒のびん。先のとがった貝殻を栓抜きにしてコルクをぬくと、中から、手紙と地図と浮き袋がでてきました。手紙には「しんせつなともだちへ しんじゅとうだいにきてください。 うみぼうずより」と書いてあります。ぐりとぐらは、さっそく、地図をたよりに海に泳ぎだします。

松の木の立ち並ぶ、どこか懐かしい海の風景。お手伝いしたお返しに、ぐりとぐらが習ううみぼうずの泳ぎをマネするのは、子ども時代の定番ですね。

外国の香りのぶどう酒の瓶に入った地図は、ロマンのかたまり。てっぺんに真珠をのせた、ぐりとぐらサイズの灯台のしつらいだけでも、おなかいっぱいワクワクできます。(3歳くらいから)

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著者:なかがわりえこ, やまわきゆりこ  ぐりとぐらの絵本  出版社: 福音館書店

3 1日、海で遊んだあとは・・・

「ぷしゅ〜」

家族でやってきた海水浴。1日たっぷり遊んだら、後かたづけをいたしましょう。まずは、浮き輪やボールを、ぷしゅ〜。

シャワーを浴びてさっぱりしたら、更衣室をぷしゅ〜?バスに揺られて帰ってきたら、バスをぷしゅ〜?? 電車に乗り継いだら・・・レストランで食事をしたら・・・そして、そして、おうちに帰ってはみがきしたら・・・・

え・・・?!さすがに、このオチは、想像つかない!暑い夏は、カラッと笑おう。読み聞かせにももってこいの、ナンセンス絵本です。(4歳くらいから)

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著者:風木一人, 石井聖岳  カラフルえほん  出版社:岩崎書店

4 砂浜でのファンタジー

「すなのおしろ」

男の子が、誰もいない浜辺で作り始めた、砂のお城。大きく、大きく・・・すると、砂からズズズと、砂の人たちが、現れた。人々だけでない、不思議な生き物たちも、みんな、砂の町を作りだした。そして、砂の王様のもとへ案内され・・・

不思議なことが次々に起き、そして、消える。まさに、浜辺の砂のお城のように、跡形もなく。そして、手の中に残ったお土産が、とても素敵です。

夏空を背景にした、砂浜のファンタジー。(3、4歳くらいから)

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著者:たむらしげる  出版社: 偕成社

5 女の子のトキめく海の中の世界

「チリとチリリうみのおはなし」

チリとチリリが自転車ではしっていると、洞窟がありました。くらい洞窟をぬけると、そこは、海の中。チリチリリ、チリチリリ、そのままサンゴの迷路をぬけると、ついたところは海藻で可愛らしく飾られた「sea parlor」の入り口でした。中にはいると、いろいろな貝殻のソファーがあり、運ばれてきたのは「なみのあわパフェまきがいふう」と「うみのソーダゼリーしんじゅクリームのせ」。さらに、海のホールで素敵なショーを見たり、海のそこの宝ものを見つけたり、ふたりの海のお散歩はつづきます。

シリーズのどの作品でも、うっとりするほどおいしそうな食べものや、こころときめく小物が次々に出てきて、女の子たちだけだなく、お母さんまで夢中になってしまうチリとチリリ。愛らしいだけでなく、いつでもみんなに「ぴったり」が用意されていているのも人気のひみつ。

澄んだブルーの海に色とりどりの魚や海藻の光景を眺めるだけでも、飽きません。(4歳くらいから)

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著者:どいかや 出版社: アリス館

6 真夏の砂浜での出会い

「のらいぬ」

文字がほとんどなく、大きな空と海と砂浜が広がる絵本です。

高く高く澄んだ、青い空。焼けて熱い、海辺の白い砂山。小さな真っ黒ののらいぬが、歩いてきます。砂に寝転ぶ男の子をみつけて、そばに寝転ぶ犬。一緒に走りだし、並んで灯台を目指し、芽生えたかのような絆でしたが、灯台のてっぺんから、男の子は、海に消えてしまいます。

ひとりぼっちののらいぬのみた、夢でしょうか?それとも、男の子の夢?ほんとうに・・・?

夢のなかにとりのこされたみたいな、こころぼそさと、開放感。境界線がぼやけていく、曖昧で、自由な時間。そんな静かな夏の午後に起きた不思議な出来事を描きます。(3歳くらいから)

もっと詳しく紹介しています→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/norainu/

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著者/編集: 谷内こうた, 蔵富千鶴子 出版社:至光社

7 波の音が聴こえる、文字のない絵本

「なみ」

タイトル以外、文字のない絵本です。本を開くと、横に長いページの、左に砂浜、右に海。海だけに色があり、そのほかはモノクロで描かれます。

お母さんと一緒にだれもいない砂浜にやってきた女の子。波に向かい合い、眺め、逃げ、挑み、思案し、おそるおそる足を踏み出します。

この絵本にはしかけがあり、前半では、砂浜にいる女の子と波のテリトリーを本の真ん中でキッパリと分けています(なので、絵も真ん中で不思議な感じで途切れていたりする)。行ったり来たりの、女の子と波でしたが、まずは女の子が波の領域に踏み出し、大きな波がざぶんと女の子に戯れたときに、左右の世界が混ざり合います。そして波がひいて残ったのは・・・

地平線と水平線のつながる、パノラマな風景に、豊かな表情、いきいきとした動き。波打ち際で気持ちよく遊ぶ女の子の1日を追うだけでも、十分に楽しめます。そして、このしかけに気がつけば、ひとつひとつの意味がぐっと深まり、何度もページをめくらずにはいられないと思います。(年齢不問)

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著者:スージー・リー 出版社:講談社

8 海の向こうから・・・

「こびん」

” ぼくは、こびん。たいせつなものを、あずかったよ。”

女の子が海にながした小瓶は、海辺の町につき、兄弟に拾われ、返事とふたりの笑い声を入れ、また海へ。賑やかな浜辺では、引越しをする男の子を染めた夕日を、冬の砂浜ではおじいさんのスープの湯気を、きれいな花の咲く海岸では姉妹のおしゃべりを、風の吹く浜辺ではお母さんの祈りを、川辺の小さな村では女の子の奏でる音楽をー大切なものとともに長い旅をした小瓶が、流れついたのは・・・

海に流す小瓶は、誰もが夢見る憧れ。その小瓶の一人称で語られる物語です。

だれかの思いを預かり、広い広い海を波にまかせて漂うということは、夢見ていたよりも壮大で、ロマンチックでした。こんなに長い時と大きな思いと素晴らしい奇跡が、絵本に入りきれていることが不思議です。(5歳くらいから)

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著者:松田奈那子  らいおんbooks  出版社: 風濤社

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いかがでしたか?

夏の絵本、ほかにも紹介していますので、ぜひ一緒にお楽しみください♪

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