【夏の絵本】夏をたっぷり味わおう♪おすすめ絵本 12冊

やってきました、夏!

お日さま!海!入道雲!プール!スイカ!アイス!昼寝!お祭り!花火!

長いお休みに、たのしいことがいっぱいつまった、特別な季節。

ゆるくのんびり過ごすのもよし、1日中遊びまわるもよし。好きを極めるもよし、新しいことにチャレンジするもよし。そんな自由な夏の楽しみを広げてくれる、とっておきの絵本をご紹介します。

1 これこそ夏!子ども時代の夏そのものを描いた絵本

「なつのいちにち」

暑い暑い夏の午後。いつも一緒のお兄ちゃんはおらず、今日はひとりで虫取り網を持って家をでる「ぼく」。

シャーンシャーンとクマゼミの声を背に、海沿いの防波堤を、田んぼの畦道を、神社の境内を駆け抜け、森をすすむとそこは目指す源氏の谷。そこではじめて、ひとりでクワガタに挑み・・・

薄暗い玄関からまぶしい外へ、そしていきなり走り出す少年。その描写だけでノスタルジーが溢れ出す!夏特有の、時間が止まったみたいな空気の、色の濃い風景。そのあちこちに静かに潜む命。夕立。夕暮れ。ひとりきり、というのがまたぐっときて・・・こんな体験がDNAに組み込まれているのではないか、と思うほど私たちを魅了する「夏」の数々が描かれます。

作者のはたこうしろうさんの体験をもとに作られた絵本だそうです。同じ体験したことのある人は大きな追憶の波にうっとりとのまれ、まだの人たちは何度でも追体験できる、ザ・夏の絵本です。(4歳くらいから)

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著者:はたこうしろう  出版社:偕成社

「夏がきた」

ー 朝から元気なセミの声。今年も会えた、夏の音。

夏は、突然はじまります。ある日、セミの声で目覚め、風鈴が鳴り、ポットの中身が麦茶になり。風もおひさまも、昨日とは違う。

友だちが「あーそーぼ!」と来て、海へ駆けだす。海辺では、海の家の準備をするおとなたちがいて、手伝いをしてありつくスイカとおにぎり。待ちに待った「ぼくらの」季節。そして夏は、雨も連れてきて・・・

田んぼの広がる海辺の町の、夏の始まりの日を描いた絵本です。どのページの光景も、全部いい。家のしつらえも外の景色も、人々の表情も光も影も、役目を終えたてるてる坊主も、お地蔵さんのお供えも、自販機の中も、犬猫の様子も、畳の色も道に落ちている実や枯れ葉も、描かれているものすべてが、夏の始まり。

見過ごしてしまいそうな表紙だって、物語でいっぱい。いいなあ。やっぱり、夏は、子どもの季節。全力で楽しんでもらいたいです。(5歳くらいから)

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著者:羽尻 利門  出版社:あすなろ書房

「まほうの夏」

お父さんもお母さんも仕事の夏休み。学校のプールとゲームと麦茶の毎日にあきあきしていた兄弟に、田舎のおじさんから「遊びに来んのか」とハガキが届きます。さらば東京、ぼくたちの夏休みの始まりだ!

すぐに地元の子と友だちになり、木登りに川渡り、藪蚊に夕立に泥んこで、さっそく田舎の洗礼を受けた兄弟ですが、汗をさっぱり流して、1日遊んだあとの新鮮なごはんのおいしいこと!

最初はとまどっていた兄弟も、虫取り、木登り、川でトンボ取りに明け暮れる日々。海水浴も存分に楽しみ、スイカの種飛ばしも釣りも上手になり、地元の子と同じくらい日焼けした頃に、夏は終わり・・・

「いいなあ」「楽しそう」「気持ちよさそう」子どもたちは読むたびにつぶやきます。やっぱり、子どもの夏は自然の中で存分に遊ぶのが一番だよ!と思わずにはいられません。経験と満足が、どれだけ大きく成長させるのか、ラストで手を振る兄弟の姿を見ればよーくわかります。(5歳くらいから)

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著者:藤原一枝, はたこうしろう  のびのび・えほん  出版社:岩崎書店

2 のーんびり過ぎる夏時間

「なつはひるね」

準備中

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著者:村上康成  出版社:フレーベル館

「のらいぬ」

文字がほとんどなく、大きな空と海と砂浜が広がる絵本です。

高く高く澄んだ、青い空。焼けて熱い、海辺の白い砂山。小さな真っ黒ののらいぬが、歩いてきます。砂に寝転ぶ男の子をみつけて、そばに寝転ぶ犬。一緒に走りだし、並んで灯台を目指し、芽生えたかのような絆でしたが、灯台のてっぺんから、男の子は、海に消えてしまいます。

ひとりぼっちののらいぬのみた、夢でしょうか?それとも、男の子の夢?ほんとうに・・・?

夢のなかにとりのこされたみたいな、こころぼそさと、開放感。境界線がぼやけていく、曖昧で、自由な時間。そんな静かな夏の午後に起きた不思議な出来事を描きます。(3歳くらいから)

もっとくわしく紹介しています→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/norainu/

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著者/編集: 谷内こうた, 蔵富千鶴子 出版社:至光社

3 したたる!夏野菜

「トマトさん」

ある、夏の昼下がり、まっかにうれたトマトさんが、トマトの木からどったと落ちた。

太陽がぎらりと照って暑くてたまらないトマトさん。畑の横を流れる小川の音に耳をすますと・・・ころころぴっちゃん!ミニトマトたちが水遊びをしている、涼しそうな音がします。およぐのなんてみっともない、と強がるトマトさんでしたが、ほっぺたが痛いくらい照りつける日差しに、ついにポロリと甘い涙が。それを見た通りすがりの虫たちが、力を合わせ、重たくて動けないトマトさんを転がして・・・

どこかなまめかしいトマトさんの表情から、痛いほど伝わるじりじりとした暑さ。からの「じゃっぷーん!」が爽快でたまりません。夏の午後に、澄んだ水に浮かぶ気持ちのよさ、水遊びのあとの心地よい疲れ、ああ、わかる。

それにしても、夏野菜には、かんかん照りも似合うけど、水中も似合う!冷たくてとっても美味しそうです。(3歳くらいから)

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著者:田中清代  こどものとも絵本  出版社:福音館書店

「これ、もっていき」

八百屋さんへおつかいの帰り道。畑のあぜ道を歩いていると、「これ、持っていき」と畑のおっちゃんが、採れたてのきゅうりをくれました。トゲのつんつんしたきゅうりをかじりながら歩いていると、また「これ、持っていき」。今度は、おばあちゃんがまっかなトマトをもいでくれました。じゅるりじゅるりかぶりついて歩いていると、またまた「これ、持っていき」。声の主は、お地蔵さん?!さらには空からも声がかかり・・・

だんだんと雲行きの変わる「これ、持っていき」。予想外の展開のまま終わらずに、日常に戻ってくるのも、自分だけが見た夢のようで、暑い夏の午後を感じます。

畑のとうもろこし、スイカ、なし、きゅうり、どれもたわわに実り、食べ頃。花畑や、ハスの畑も通ります。光景の中には生き物もたくさんいて、みーんな、夏の空気をまとっています。パワフルな絵が、とってもいいです。(4歳くらいから)

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著者:村上 しいこ, 伊藤 秀男  講談社の創作絵本  出版社:講談社

4 暑い暑い、とにかくあつい!!

「あついあつい」

あついあつい、どこかに涼しいところはないかな・・・汗をかきかき歩いてきたペンギンが、やっと見つけた日陰でひとやすみしていると、影がむくっと動き、「だれ!ぼくのひかげですずんでいるのは」。それは、あざらしの影だったのです。

ぼくだって暑いんだよ・・・ふたりとも汗をかきかき、涼しいところを探します。でも、やっと見つけた影は、かばのもの。今度は3匹で日陰を探しますが・・・

じりじりと音が聞こえてきそうな、まっ昼間。オアシスのような日陰は束の間で消え、汗のしたたる放浪は、仲間をふやして続きます。けれど、だからこその、あの場所を見つけた動物たちの、飛び上がらんばかりの表情。ザッブーン!は、流した汗の分だけ、気持ちがいいものです。(2歳くらいから)

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著者:垂石眞子 幼児絵本シリーズ 出版社: 福音館書店

「とてもとてもあついひ」

とてもとても暑い日、木陰のハンモックで昼寝をしていた、3匹のねずみが目を覚ますと、庭のブランコと手押し車がなくなっていました。地面をみると、車輪のあとがついています。そのあとをたどっていくと、そこはうさぎの家。ここでも、ジョウロとシャベルがなくなったようです。その先のたぬきの家では、大きな木のおけを探しています。カンカンでりの道を、汗をふきふき、みんなであとをつけていくと、そこで目にしたのは、大家族のしまりすの家で・・・

暑いとケンカになるんです。でも、涼しい水を浴びたら、すぐに仲直りしちゃうんです。すったもんだでみんなで作り上げた水遊び場。大きなプールに、ブランコに飛び込み台、橋やステージやどろんこもあって、とっても楽しそうです。

さんざん汗をかいたあとなら、なおさら・・・ね。(2歳くらいから)

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著者:こいでたん, こいでやすこ  幼児絵本シリーズ  出版社:福音館書店

「みずまき」

太陽が真上に照る、夏の午後。

暑くて、暑くて、みんな昼寝です。起きているのは太陽ばかりの、じりじりした空気、永遠みたいな時間の夏の庭。と、そこに、雨の神が登場・・・と思ったら、女の子。にわのみなさん、あめだぞ、あめだぞ・・・ホースを、ぶんぶん、ふりまわします。

女の子のホーズから、ほとばしる水。そこから、目覚めたように動き出す、なめくじ、ぼうふら、あおむし、むくどり。夏の庭で偶然交錯する、小さな命。

力強い生命力で満ち満ちる、ダイナミックな絵本です。

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著者:木葉井 悦子 講談社の創作絵本  出版社:講談社

「あつい!!」

もう、この、タイトルと表紙が大好きなんです。

一日に何度言うことか・・・「あつい!!」

お日さまカンカン暑い日に、汗びっしょりでふらふらのたぬき。こりゃかなわん、と木陰を見つけてひとやすみ。ひやっと冷たい夢をみた。

夢の中でアイスに化けたたぬきは、暑さにまいっていた者たちにかじられていきます。ちくり、と蚊。かりっ、とあり。がじり、ぶすり、ぺろり、ぱっ、ぱくっ、ぱっくり、ぱくり!だんだん大きくなっていく「ひとくち」に、たぬきはひやっとして、震えて目が覚めたって。

アイスについたかじり跡が穴あきになっていて、形で予想し、めくるとかじった犯人がわかります。それがオチまでつながるシンプルなストーリーで、あつい!!日の読み聞かせにもぴったりです。(3歳くらいから)

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著者:木曽秀夫  出版社: フレーベル館

「あつさのせい?」

とってもあついひ、駅のプラットホームで、うまのはいどうさんが帽子をとって汗をぬぐっていると、電車がやってきたので、いそいでヒヒンと飛び乗りました。

ベンチに置き忘れた帽子をみつけたきつねのとりうち君は、トイレでこそっとかぶってみて、そのイカした姿に、ポーッとなって、かごを忘れていきました。

かごをみつけたブタの三吉は、はいっていたお風呂道具を持って銭湯にいき、シャンプーを忘れ、そのシャンプーのにおいにうっとりしたうしの山口さんは、キャラメルを落とし、そのキャラメルをひろったやぎのよし子さんは、ハンカチをとばし、そのハンカチをひろったくまののぶこさんは・・・

異国情緒あふれる、どこかの小さな町での、できごとです。暑くて、暑くて、みんなうっかりしています。暑くて、暑くて、みんなこまかいことを考えられません。暑さがすべてをまるく納めてくれることも、あるのです。(4歳くらいから)

こちらでくわしく紹介しています→https://kotori-ehon.com/kotoribunko/atsusa/

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著者:スズキコージ 日本傑作絵本シリーズ  出版社:福音館書店

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いかがでしたか?

夏大好き!な人はもちろん、夏や暑さが苦手な人も、絵本でなら存分に楽しめますね♪

夏の絵本は、カテゴリーからもご覧いただけますし、こちらでも特集しています。よかったらのぞいてみてくださいね。

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