わたしは、推理小説も好きです。とくに、探偵ものにトキメクのですが、元をたどると、その原点は子ども時代。名探偵ネートが活躍する「ぼくはめいたんてい」シリーズで始まり、カメラちゃん、マガーク探偵団、少年探偵ブラウン、カッレ君、ホームズ・・・夢中で読みました。
探偵ものは、事件の謎を追って引き込まれていき、次々に事件に挑みたくなる中毒性もあるので、時間がいっぱいある時に、もってこい。型が決まっているので読みやすくもあり、あまり本を読まない、という子にも、おすすめです。
1 最年少の名探偵「ぼくはめいたんてい」シリーズ
名探偵の条件、それは、「クール」「独特の嗜好」「おきまりの謎解きスタイル」。若干9歳にして、歴代の名探偵の素質を一手に引き継いだネートの活躍を描いたこのシリーズは、最年少向けの本格推理小説かもしれません。
どんな事件でも引き受ける、頼もしい探偵ネートは、仕事はいつもひとりで受け、トレンチコートを着てパンケーキを食べ置手紙をして出かけます。
事件はすべて、子どもたちの日常の中にあるちょっとした出来ごとがもとになっているので、低学年や謎解きの初心者でも、ふとしたことがきっかけで、真相にせまることができます。
自分で推理するたのしさにくわえ、おとなは、置き手紙の中くらいにしかでてこない、子どもたちが主役の小さな世界も、魅力的。脇役たちも、ひとくせも、ふたくせもあって、見逃せません。
私が子どもの頃は、6冊しか出ていませんでしたが、今は続編が出ていて、全17巻もそろっています。(低学年から)
2 一気に人気者「おしりたんていファイル」シリーズ
いまどき、低学年向けの探偵ものを語るのに、これを外すわけにはいきません。
横書きの文、アニメのような絵、何より「おしり」や「おなら」で安易に子ども心をつかんでいるようで、眉をひそめる本好きのおとなもいるかもしれません。確かに、間違い探しや暗号や迷路が次々に出てきて、物語を読むというより、プレイブックのようだと、思いますが・・・でも、謎解きはなかなか面白いのですよね。探偵ものの入り口として、ここから、楽しさに目覚めてくれたらいいと思います。(低学年から)
3 自分で推理する「ミルキー杉山のあなたも名探偵」シリーズ
主人公のミルキー杉山は、ふたりの子どもと団地で暮らしていて、探偵だけでは生活できないので、時々アルバイトもしている・・・そう、あまり冴えないおじさんです。だまされやすく、ドジなところもありますが、奥さんや子どもたち、探偵仲間に助けられ、いくつもの難事件を解決しています。
1冊に2から4話がはいっていて、物語は短く端的。そして、この本のおもしろいところは、なんといっても、ひとつの話が「事件編」と「解決編」に分かれていることです。事件編の中に解決への鍵がかくされていて、それを解いてから、解決編の扉を開けるようになっています。読んで、考えて・・・1話が短いので、わからなかったら、最初に戻って読みなおすのもたやすいです。
昔はまった、「少年探偵ブラウン」シリーズが、このタイプで、よく頭をひねったものです。みんなも、すぐに答えを見ずに、がんばってね。(2、3年生くらいから)
4 「ムジナ探偵局」シリーズ
ムジナ〜貉〜とは、民話などに出てくる、実体のはっきりしない妖怪のようなもの。先代が亡くなりふらりと戻ってきた<古書商・貉堂>の2代目が、古本屋の看板に並べて立てたのが<ムジナ探偵局>です。
毎日、将棋を指しているか昼寝をしているかのムジナ探偵が引き受けるのは、一風変わった事件だけ。夢に出てくる古民家にあった白い箱の中身の調査、亡くなったおじいさんが残したメッセージ、夜な夜な学校に出る不思議な泥棒。どの事件も犯人は・・・
この世のものではないものたちを主人公にたくさんの物語を書いている、作者の富安陽子さんは名うてのストーリーテラー。事件、不思議、妖怪、子どもたちの好きなものが勢ぞろいです。(全9巻)(3年生くらいから)
5 絵の中の鍵を解いて進む「くろて団は名探偵」
「くろて団」のメンバーは、男の子3人と女の子1人、そしていつも一緒のリス。ある建物の屋根裏を本部にし、放課後に定期的に集まっていています。そして、ある事件をきっかけに、その推理力や行動力に警察も一目おくようになります。
1冊の中に、事件は4つ。それぞれが2、3ページごとの短い章に分かれ、各章の終わりにある問いを絵の中から解いてから、次に進みます。
次々にやってくるquestionタイム。解くたびにぐんぐん近づいていく真相。スピード感があり、ページをめくる手を止められません。子どもの世界を飛び出して、悪者を追いつめる様子にワクワクします。
「くろて団」はシリーズではありませんが、作者の息子の手がける「くろグミ団」は同じスタイルで全5冊出ています。(3、4年生くらいから)
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いかがでしたか?
ここまで読んだら、もう、名探偵の仲間入り。より深く、より難しく、時には犯人との対決もあるハラハラドキドキの本格的なミステリの世界が待っています。ホームズも、もう、すぐそこです♪
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