おにぎり

ごはんを たいて
てのひらに、みずを つけて
しおを つけて
ごはんを のせて 
 あつ、あつ。ふっ、ふっ。
ぎゅっ。
まんなかに うめぼし うめて
ぎゅっ。ぎゅっ。
くるっ、くるっ、くるっ・・・・・

文字を、ゆっくりとたどるだけでも、炊きたてのごはんで作られる、にぎりたてのおにぎりが、目の前にあらわれるようで、期待が高まる。

おにぎりが、できあがっていく行程が、それを作り出す手もとをアップに、ていねいなていねいな絵と想像をかきたてる音で、描かれる絵本です。

迷いなく、手際よくにぎっていく、清潔に整えられた、ふっくらとした手は、愛情そのもの。それが、とてもよく伝わります。

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子どもにごはんを与えることは、多くの生き物に共通する、親の大事な仕事ですが、おにぎりをにぎるような愛情の込め方は、私たちにしかできないことなのかもな・・・なんて。

幼児向けの絵本ですが、読み手のおとなも、じんわりとあたたかく、ホッとした気持ちになると思います。おにぎりって、その、手のひらのなかの重さに、「ホッ」が、つまってますよね。

 

【この本のこと】

「おにぎり」
平山英三 文 平山和子 絵
福音館書店

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、1歳過ぎから。実際におにぎりを食べたことがある子、好きな子が、よろこびます。

おにぎりを握るような日々の仕事に追われるお母さんたち。そのささいな、だれも気にも留めないことが、こんなに慈しみのある行為なんだと、そんなことすら思わせてくれます。