万次郎さんとおにぎり

実家の周りには田んぼが多く、帰省のたびに、四季折々、田おこし、田植え、さわやかな穂が伸びていき、やがて風に揺れ、色づき、刈られていく様子を、頼もしい気持ちで眺めています。

刈られた後は、その新米が届くのが、今か今かと待ち遠しく。

いつもは五分つきにするのですが、このときばかりは、やっぱり白米に!ピカピカのごはんのお供は何にしましょう・・・納豆?梅干し?お漬物?

とにもかくにも、まずは、おにぎりにしましょうか。

万次郎さんとおにぎり

秋です。

万次郎さんの田んぼでは、今年も、たくさんお米がとれました。万次郎さんは、とれたてのお米で大きなおにぎりを10こ、作りました。ところが、のりが、1枚たりません。

万次郎さんが、とだなを探していると、おにぎりたちが、「もう、まてねえぞう」とむずむず動きだし、ころりところがって、外へいってしまいます。のりの巻いていない、さいごのひとつも、ちらばったのりの切れ端をくっつけ、あとを追います。

さあ、おにぎりたちは、どこへいったのでしょう?

おにぎりたちはね、おてんとうさまに、晴れ姿を見せにいったのですよ。「おてんとさまあ、みてくだされ この はれすがた。わしら そろって うんまい おにぎりに なりましたぞおい」ってね。

なんだか、うれしくなります。食べられたくなくて、逃げたんじゃなくて、うれしくて、見せにいったんです。いとしい、おにぎり。

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わらべ歌にもありましたが、米という感じが「八十八」からなるのは、お米を作るまでに八十八もの手間がかかることから、きています。

農家の方が、お天道さまと一緒に、手塩にかけて育てた小さな一粒のお米の、きれいなこと。

たくさん感謝して・・・いただきます♪

 

【この本のこと】

「万次郎さんとおにぎり」
本田いずみ 文 北村人 絵
福音館書店

*画像はこどものとも年少版ですが、現在はハードカバー化されて販売しています

【だれにおすすめ?】

もとは年少版ですが、新米の季節、広い年齢の読み聞かせにも活躍してくれます。

ちっともお説教くさくなく、堅くもなく、ユーモラスでおもしろい・・・でも、大切なことが伝わるこの絵本。たくさんの子に届くといいなと思います。

昔話調の、のーんびりとした語り口に、色のきれいなとぼけた絵が、とってもよく合っています。