ぐりとぐら

ー「どんぐりを かご いっぱい ひろったら、おさとうを たっぷり いれて、にようね。」「くりを かご いっぱい ひろったら、やわらかく ゆでて、くりーむに しようね。」

 (本文より)

大きなかごをもって、森にやってきたぐりとぐらが拾うのは、栗やどんぐり、きのこなど。

そのあと、大きなたまごを見つけて、大きくてきいろくてふんわりとしたカステラを焼き上げ、みんなでなかよく食べるのは、日本中だれだって、知っていることだけど・・・

そのカステラがあんまりに印象深くて、思い出せないけれど、絵本の舞台は、秋のはじめです。

ほら、絵本の最初で、ぐりとぐら、どんぐりや栗を、拾っているでしょ?

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山脇百合子さんの描く絵は、いつも、季節や生活に、きちんと根ざしています。

部屋には暮らしの痕跡がしっかりと刻まれ、野にはその季節にあった草花の姿があって。

でも、この、いちばん最初の絵本、ぐりとぐらだけかな?

ふたりが手にもつ黄色い花、あちこちに咲く、見たことない、かわいらしく赤い、釣り鐘の花。名のない草花が描かれるのは。

そんな中でも、木に巻きつくツタは、しっかり、色づき。

ぐりとぐらからは、ふだんの端正な暮らしが、そこはかとなく漂よい。

そんなところが、おふたりの絵本や童話の世界をつくる縁の下の力もちなんじゃないかなあ、と思っています。

 

【この本のこと】

「ぐりとぐら」
なかがわりえこ と おおむらゆりこ
福音館書店

【だれにおすすめ?】

みんな大好き、ぐりとぐら。

昔読んで好きだったからと、まだ2歳くらいのうちから読んであげるお母さんも多いですが、ぐりとぐらの世界を丸ごとたーっぷり味わうには、4歳くらいからでもいいと思います。

意外に、奥深いのですよ。