さくら村には、さくらの木がいっぱいうわっています。昔から、どこのうちでも、子どもが生まれたらさくらの苗木を1本うえてきました。なので、大きなのから、まだ小さなのまで、あちこちにさくらの木があるのです。
村は、「風色の森」と「風色湾」のまわりに集落が広がり、豊かな自然の中を、子どもたちはのびのび駆けまわって過ごしています。
鳥がおかしなところに巣を作ったり、だれかが引っ越してくるうわさにワクワクしたり、とうもろこし畑に珍客がいたり、6月のある夜と満月の夜には特別な楽しみがあったり・・・そんなさくら村の1年間を、3年生のハルちゃんが語ってくれます。
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なんにもないようで、なんでもある毎日。
人と人のつながりから生まれる小さな出来事でいっぱい。
さくら村では、子どももおとなも、みんな、「ここで暮らしている」安心と誇りと責任のもと、しっかりと暮らしを営んでいて、何もかも満ち足りています。ほんとうに、何もかも!
3年生の娘の本棚で、もっと上手に、紹介しています
【この本のこと】
朽木 祥 作 大社 玲子 絵
小学館
【どんな人におすすめ?】
自分で読むなら、小学校中学年くらいから。8このお話が入っていて、読み聞かせにもむいています。
やかまし村のような、ただ子どもたちの毎日が描かれるだけでたのしい、そんな本。もっと身近で、もっとささやかで、もっと親み深く。
舞台になっている風色湾は、作者の他の本にも出てきます。三浦半島の南にある地域がモデルのになってる、架空の場所です。