笑った、笑った!
この絵本最高。
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もりの おおきないけの まんなか、
すいれんの はっぱのうえで、
2ひきの カエルが やすんでいた。1ぴきが きいた。
「なんで また、そんな ぼうきれ かかえているのさ?」
ー本文より
棒きれを抱えたカエルが言うには、犬よけ棒だと。犬のやろう(笑)が飛びかかってきたら、この棒でバンバーン!ってやっちまうわけさ、と。でも、森の池には犬はいないし、第一今までにこの池で犬が泳いでいるのなんて、一度も見たことがない。
でも飼い主がボールを投げたら?ーでも池の真ん中までボール届かないだろ
でも飼い主がボール投げのチャンピオンだったら?ーでも犬はこんなところまでは泳げないだろ
でもその犬がたまたま水泳のチャンピオンだったら?ーそんな偶然ないだろ
そんな会話で盛り上がる2匹のカエルに、水の中から大きな影が忍びより・・・そこから物語は大きく動き出します。
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事実は小説より奇なり、は本当だった!備えあれば憂なし、も本当だった!
リアルな絵、2匹のカエルのべらんめえっぽい口調のテンポのいい会話、嘘から誠のような、あり得ないのにあり得てしまった展開。最後のページまで上手くできていて、ずっとおもしろくて、何回笑ってしまったことか。
作者のクリス・ウォーメルは、「ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ」のようなしみじみとよいお話から、「かしこいさかなはかんがえた」のような他にない発想のお話から、幅広いですね。どれも見応えのある絵は共通。
訳を手がけているのは、はたこうしろうさんなのですが、これが、見事にはまっています。
出版社さんの紹介ページはこちら→https://www.tokuma.jp/book/b605696.html