穴のあいたセーター着てる人、集まれ〜
さむがりで、なまけもののねこ。
ねこのセーターは、ぶかぶかで、ぼろぼろで、
おおきな穴が2つもあいています。
ねこはさむがりなくせに、
こんなセーターを着ているのです。
ねこは、毎日おうちで、どんぐりにぼうしをかぶせる仕事を、しています。
「ぼうしいれ」なんて書いた箱を、ちゃんと用意したりして、ねこは、どんぐりに、なかなかやさしいのでした。
でも、なまけものなので、3つばかりぼうしをかぶせると、もうめんどうくさくなって、なまけはじめて、どんぐりたちに、ばかにされて、くやしい思いをするのです。
ふ、ふ、ふ。
そんなねこの、1日です。
ねこは、さらに、せっかちで、おぎょうぎがわるくて、はずかしがりやで、なきむしで、ちょっとだらしがなくて、はやおきなのです。
それで、ふたつ穴のあいたセーターを、たぶん、気に入っているのです。
まったく、もう、憎めないねこなのです。
とくべつに大事と思わなくても、愛着のある、毎日。穴のあいた、セーターみたいな。
まじめに、自分をかくさず、でもゆるっと。
そのくらいが、ちょうどいいなあ。
・ ・ ・
【この本のこと】
「ねこのセーター」
おいかわけんじ たけうちまゆこ 文溪堂
【だれにおすすめ?】
読んであげるなら、4歳くらいから。
独特の空気に好みは分かれ、
好きな人なら、小学生でも中学生でも
ハマると思います。
他人事とは思えないねこの様子に、
ハートをつかまれるおとなも続出。
ゆるっとしたものの好きなお友だちへの
プレゼントにもおすすめ。