たった ひとつの ドングリが / 木に そだつ / 木が そだてば / トリが くる/ トリが ゆすって / たねが おちる/ ひとつぶの たねから/ はなが さく / いちりんの はなから / 実が なる / 実が なると / シマリスが くる / シマリスが いる ところに/ ヘビが くる / ヘビを ねらって / タカが くる / タカが えだを ゆらして / ドングリが おちる / たった ひとつの ドングリから うまれる / ゆたかな もり
ほんのこれだけの言葉と絵で紡ぎ出される、大きな、大きな、生命の螺旋。

たったひとつのドングリから生まれる、豊かな森。
めくるごと、ひとつひとつの生き物や植物にスポットがあたっていくのを目にしながら、ページのそのずっと向こうまで広がっているつながりを感じることができます。
神秘的なバランスで成り立つ自然のサイクルの前で、おとなも子どももできることは、理解ではなく、知ること。本能的に、感じること。
無関係にそこにあるものはいない世界。その大きな”とき”の巡りの中で、すべてのものが影響し合い、支え合うしくみが、この小さな絵本の中に完全に描かれています。
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巻末には、絵本で描かれたどんぐりや森、生物などについての解説もあります。
すべての生命は自然の循環の一端を担っているけれど、なかでもとりわけ、わかりやすくそれを教えてくれる身近などんぐり。
大きく育ちたくさんの生き物の住処になり、たくさんの実をならせ食糧になり、葉を落とし土を作り。さらには交互に訪れる成り年で生き物の数を調整したり、リスや鳥が地面に貯蓄することで命を絶やさない・・・知能ある?操ってる?という一面もあり興味もつきません。
あのかわいいコロコロした見た目で、ついみんな遊びたくなっちゃうのも、何かの戦略だったりして・・・
どんぐりの絵本はこちらでも紹介しています
