もりのへなそうる

てつたくんは、五さいで ようちえんに いっています。
みつやくんは、三さいで ようちえんに いっていません。

ある日、ふたりで絵を描いて遊んでいると、てつたくんが地図を書くことを思いつきました。

うちがあって、道があって、川があって、その向こうに森があって・・・

地図が完成すると、ふたりは、探検に飛び出しました。

森にやってきたふたりが見つけたのは、赤と黄色のしま模様の大きなたまご。

たまごを隠して、家に帰り、次の日、つかまえるなわを持って戻ってみると、そこには、赤と黄色のしま模様の、大きな、変な動物がいるのです。

「へなそうる」の子どもだという、その動物となかよくなったふたりは、毎日森へ行き、かくれんぼをしたり、カニを捕まえたりして、遊ぶようになりました。

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「ぼか おにぎり だあいすき」なんて言う、かばみたいな顔で派手な色で大きくて、でも赤ちゃんのへなそうるが巻き起すひと騒動。

お兄ちゃんのまねばかりして、でも「たまご」を「たがも」、「どうぶつ」を「どうつぶ」なんていちいち間違えてしまうみつやくん、その兄弟の会話も魅力のひとつで、子どもたちはどうしたって笑ってしまいます。さらに、何にも知らないへなそうるの、無邪気な言葉にも、大笑い。

そしてそして、ふたりが毎回持ってくる、素朴でおいしそうなお弁当やおやつ!食いしん坊のへなそうるじゃなくても、惹きつけられます。

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別れは、ありません。

お母さんが待っている家と、不思議な森での出来事と。

安心と冒険と、自然に交わりながら、ふたりと、へなそうるとの日々は、続いていきます。

【この本のこと】

「もりのへなそうる」
わたなべしげお 作
やまわきゆりこ 絵
福音館書店

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、4歳くらいから。

自分で読むなら、小学生から。

みつやくんの言い間違えや、生まれたばかりで何も知らない、へなそうるの勘違いに、我が子たちは手を叩いてよろこび、へなそうるの口ぐせ「ぼかぁ」はブームになりました。

4つのお話が入っていて、どれも家から出かけて、家に帰る、日常とファンタジーの混ざり具合もとてもよいです。

最後は、「また あしょぼうぜ」と手を振って終わります。それが別れになるかどうかは、もう一度本を開くかどうかで変わるのかもしれません。

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