ー「あのね、ぼくは うたいながら ねむるんだ。すきな うたを、ゆったり ささやくように うたっていると、いつのまにか ねむってしまうんだよ」
(本文より)
オルガは、眠れなくてこまっています。ふくろうの子どもなら、とっくに眠っている時間だというのに!
いつもの木の枝で、いつもどおり、片方の目をつぶって眠ろうとしても、だめ。
反対側の目をつぶってみても、(ほんとうは、まっとうなやりかたではないんですが)ふたつの目をいっぺんに、ぎゅっとつぶってみても、ちっとも、眠くなりません。
ものしりの長老さまのところへいっても、長老さまは、眠たそうだし・・・
ますます困ってしまったオルガのところに、小さな動物たちがつぎつぎにやってきて、それぞれの眠り方を、伝授してくれました。
・ ・ ・
ふくろうは、片目ずつ、眠るのですね。
リスはまるまって、オポッサムはしっぽで、かけすはつばさに頭をしまって、こまどりは枝をゆらゆらさせて。
めいめいの眠り方を、もっています。
でもね、みんなそろって眠たくなっちゃう、とっておきの方法が、あるのですよ。
なんだか、わかりますか?
・ ・ ・
オルガのみせる、ひとつひとつの反応や表情。小さな動物たちの集まっている姿、掛け合う会話。そろって眠りにつく、ちんまりとした様子
その、たのしいこと、かわいらしいこと。
まるで、おゆうぎ会を、みているみたいね。
眠れない夜に、そっとひらけば、こころがゆるんで、すうっと夢に落ちられそうです。
【この本のこと】
「ねむれないふくろうオルガ」
ルイス・スロボドキン 作 三原泉 訳 偕成社
【だれにおすすめ?】
我が家の長女がそうなのですが、眠るのがへたっぴな子は、お母さんも、困るけれど、本人はもっと困っています。
そんな子どもたちに、共感と、やすらぎをもたらしてくれる絵本です。
日々寝かしつけにお困りのお母さんだって、こんな可愛らしい絵本を読んだら、その夜は、寝付けない子にイライラする気持ちがわかないはず♪
読んであげるなら、3歳くらいから。
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