「おもしろいことを してみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」
ー本文より
青い目の元気なこねこがいました。あるときねこは、ねずみの国を見つけにでかけました。ねこは、いさみに勇んで出かけました。なにしろ、ねずみの国を見つけたら、もう、おなかをすかすことはありませんものー
そんなふうに元気よく始まるこの絵童話は、1のまきから7のまきまで、短く章にわかれ、こねこの冒険がテンポよく描かれます。
ねずみの国探しは、そんなにはうまくいきません。
魚に聞いてバカにされてびしょびしょになり、暗い洞窟で光る大きな目に逃げだし、ハリネズミにムシされ、同じねこたちに会うも相手にされないどころか見下される始末。
けれど、そのたびに青い目のこねこは「なーに、なんでもないさ」と、どこ吹く風。飄々と旅を続けます。
そんなこねこは、あるアクシデントから、犬の背中に飛び乗ってしまい、遠くに運ばれて・・・
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思い立ったが吉日、案ずるより産むが易し、果報は寝て待て、明日は明日の風が吹く。
そんな、ポジティブなことわざを地でいくような、あおい目のこねこのありように、スカッと気持ちがよくなる物語です。
自分が大好きなこねこは、自分を楽しませることも忘れない。
そして、何かがっても決して腐らない、うらまない。
無理かなと思ったら、すんなり旅をやめて落ち着くこともできる柔軟さもあって、それが幸運につながるところも、また人生。生きる知恵がつまっているなあと、思います。
低学年から自分でも読める短い物語ですが、せっかく章立てになっていてワクワクを演出してくれますし、絵と文章が一体となっているので、読んであげて一緒に楽しむほうが絶対におすすめ。
読んであげているおとなも、ハッとしたり、元気が出たりしますよ♪
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