クリスマスの日、おおきな部屋のとびらが、とうとうあいた。
ぼくたちは、しずかにはいっていく。クリスマスツリーがかがやいている。部屋をてらしているのは、おだやかなろうそくのあかりだけ。
「ぼくの村のクリスマス」より
広間の扉がひらき、子どもたちが目を輝かせてツリーにかけよるーそんな場面は、クリスマスの童話の定番「もみの木」や「クルミ割り人形」にも描かれています。
大人たちがこっそりと飾り付けをして、子どもたちは観客よろしく、それを楽しみに待つ。天井に届くほどの立派なツリーに本物のキャンドルの飾っていた時代には、それはおとなの仕事だったのかもしれません。
わたしが子どもの頃は、クリスマスはツリーの飾りつけから始まりました。
あの、THE 昭和のちょっとスカスカのツリーを押し入れから出してもらって、オーナメントのはいった箱をあけるときのワクワク。一年ぶりに再会するモールのサンタやろうそく、金銀のふさふさなどを妹と取り合うようにして飾りました。
もみのきに かざりを つけるのは おおしごと。だれにでも できるわけでは ありません。
「エリーちゃんのクリスマス」より
そう、クリスマスツリーの飾りつけは、とってもやりがいのある仕事。なんといっても、ツリーはクリスマスのシンボルですから、それぞれの家の伝統(それがどんなに浅くても!)に従って、立派に仕上げなければいけないのです。
クリスマスツリーが ひとつ あると、まわりの みんなが しあわせになるね。
「いろいろクリスマスツリー」より
そして、それがどんな大きさのどんなツリーでも、心を込めて用意されたツリーが部屋にあると、とても安らかで心うれしくなるのです。
いつかはね・・・・クリスマスツリーだって すきなように かざらせてもらう。
「いつかはきっと・・・」より
女の子の成長のみなもと、尽きない「いつかきっと」の想いの最後を飾るのにもふさわしいくらい、特別なことなんです。クリスマスツリーをかざるって。
好きなように、自由にー飼い犬のブルドッグだろうとヘビだろうとソーセージだろうとー飾られたツリー。こういうのもいいね、たしかに一度やってみたいかも♪
みなさんのおうちでは、どんなふうに、クリスマスツリーを飾りつけているのかな?
紹介した本
くるみ割り人形は、絵本もたくさん出ていますが、だいたいはストーリーの華やかな一部分を切り取ったもの。でも、この物語の面白さは光と影、通して読んでほしいところですが、子どもには少しむずかしいです。
子どもと読むなら、ツヴェルガーの「くるみ割り人形」(BL出版)はどうでしょう?抄訳ながらほぼ原作の章立て通りで、元の物語の雰囲気が楽しめます。しかも、CD付き♪
このお話も、いろんな画家が絵をつけていて、それぞれの楽しみがありますが、アンデルセンと同じデンマーク出身のスベン・オットーのこの絵本の誠実さが私は好きです。でも、版元品切れですね・・・
↑最後の3冊を紹介している「どんなふうに飾る?かわいいクリスマスツリーの絵本、3冊」のページはこちらから♪
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