アドベントは、クリスマスの4つ前の日曜日から始まる、クリスマスを待つ期間。
この間に、街も家も心も、クリスマスに向けて支度を整えていきます。
12月になって、クリスマスが待ちきれないシモン。
お父さんの描いてくれた猫のフローラの絵のしっぽの縞を毎日ひとつ塗りつぶし、そのたびに、おはなしをひとつしてもらうことになりました。
クリスマスまでの、24日。
ある日は軽やかなユーモアに包まれ、ある日は神秘的なファンタジー、ある日は心の奥に波紋を起こし、ある日は光を灯し・・・
24個のおはなしと、すこしずつクリスマスに近づいていくシモンや、シモンのまわりのようすがたのしめる、アドベントストーリー。
作者は、ドイツ生まれでスイス育ちなので、この地方のクリスマスの伝説や宗教や習慣が元になったお話も多く、はるか昔からクリスマスを祝ってきた人々の心に触れることも、楽しみのひとつです。どの物語にも、クリスマスの心が散りばめられ、ほんとうに大切にしたいことを知り、その精神を受けとり、静かなよろこびをもってクリスマスを迎えることができます。
長く「シモンとクリスマスねこ」を楽しんできましたが、2021年にあたらしくこの本が出版されました。今年はこちらを読んでみようかな・・・
おもちゃ屋の息子オリヴァーが、お手伝いの合間にようやく出したサンタさんへの手紙。けれどポストに収まったと思った手紙は、するりと風にのって雪の舞う通りをただよっていってしまいます。拾ったのは、街角で寒くひもじい思いをしていたネズミのウィンストン。翌日にせまったクリスマス・イブに間に合わすため、サンタクロースの元に手紙を届けにいく決意をします。
12月1日から25日まで、24と1/2の章に分かれ、ウィンストンの冒険物語が綴られます。各章の最後には、カードや飾り、食べ物などのレシピや、クリスマスを盛り上げるためのアイディアのアクティビティがたっぷりとのっていて、合わせて楽しめるのもいいね。
176ページもある大判絵本で、そのちょっと豪華な雰囲気もクリスマス気分を高めます♪
12月1日から24日(25日)まで、ひとつずつ扉をあけていくアドベントカレンダーも、昔ながらの紙のものだけでなく、お菓子がはいっているものも街にたくさん並び、今では日本でもすっかり身近になりました。
ウィキペディアによると、最も古いアドベントカレンダーは1851年に手作りされたものだそう。
絵本の中でも、「ロッタちゃんのクリスマスツリー」の中などで、見つけることができます。
手前に描かれているのは、アドベントキャンドルで、これは紙のアドベントカレンダーよりももっと昔からの風習です。クリスマスの4つ前の日曜日から、日曜日ごとに一本ずつ灯していきます。同じリンドグレーンの「クリスマスをまつリサベット」にも、4本目のキャンドルを灯す朝の興奮が描かれていました。
ターシャ・チューダーの絵本の中では、同じ意味合いのアドベントリースが、天井から吊るされている様子が、よく描かれています。
パディントンは、クリスマスというのは、来るのにずいぶん暇のかかるものだと思いました。毎朝、大急ぎで下へおりて、カレンダーの日を消すのですが、消した日の数が多くなればなるほど、クリスマスは遠のくように思われました。
ー「パディントンのクリスマス」Ⅶ クリスマス より
子どもはその通りなのだと思うのだけれど、おとなにとっては瞬く間に過ぎていく12月。子どもたちに負けないくらい、楽しんでいきましょう♪
・・・・・・・・・・