肉好きの本音はこれ
「ひとくちだってやるものか!」
肉を分け合って食べたい肉好きなんて、いないのです。
ステーキ、トンカツ、チキン南蛮、ハンバーグ、生姜焼き、どれだって最初から最後まで完璧なバランスで食べきりたい。大皿に盛られた唐揚げだって、絶対に、誰よりもたくさん確保したい。肉野菜いためだったら、どうしても、肉が多いお皿をとりたい。
そういうものです。
この絵本は、本当にそれをよくわかっています。

上から読んでも下から読んでも「にくのくに」
ここではいろんな肉の王様が、お城をかまえて暮らしています。肉の王様はみんなえばりんぼ。我こそが一番だと言い張ります。
ローストビーフ王、カラアゲ王、ハンバーグ王、テリヤキチキン王、ソーセージ王にハム王、トンカツ王。自分が肉の中の肉だと譲らない王様たちは口々に言うのです。「おいしいおいしい、ひとくちだってやるものか!」
そんな中。どんな肉好きでも、これだけはみんなで食べたいと思わざるを得ない、あの肉の王様がゆっくりと口を開き・・・・

肉好きへの見事な理解。
ドーンと描かれる迫力の肉料理の絵の数々。
見返しは、まさかの、あれ。肉好きの憧れのあの紙。
肉好きのあの人に、よいお肉と一緒に、お歳暮で贈りたい。
歳とともに、肉が食べられなくなってきているこの頃だけれど、この絵本を読むと、いつまでも肉好きの自分でいたい、誰になんと言われようとこの精神を忘れたくない、と思います。肉好き必携の書。
続編は、お妃様たちの、アレンジ料理持ち寄りランチ会です。
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