あたらしい「ねえさんといもうと」

優しさやあたたかさと、憂いやノスタルジックが共存したような絵が、見る人を惹きつけ、絵本の枠を超えてファンの多い酒井駒子さん。手がける絵本も多様で、こうきたか!と思わされることも多いのですが。

今度こそ、わー、ここにきたか!と感嘆しました。

もう長いこと入手困難が続き、復刊を願う声の多かった、ゾロトウの「ねえさんといもうと」が、酒井駒子さんの絵と訳で新しく生まれ変わったのです。

ねえさんといもうと

それも、この表紙。

原作を大切に思う気持ちが、伝わります。

この、淡いピンクの表紙や、ピンクと黄緑の組み合わせは、この絵本のシンボル。(このピンクが色あせしやすくてね・・・)それがそのままのこの表紙を見たら、原作ファンも不平は言えなくなるでしょう。

訳は、もちろん、細かな違いはあるけれど、いちいち比べなければ、違和感なし。

ただ、旧版の訳は矢川澄子さんが手がけているので、古いファンにはそれだけでもう、ありがたくって。わたしも、本当のことを言うと、そのクチなのですが・・・

そして、絵。

そもそも、原作のマーク・アレキサンダーの絵と、酒井駒子さんの絵、雰囲気が似ていますよね。黒目がちというか、伏し目がちなところとか。どこかアンニュイな表情とか。

はっきりと違うのは、新版は現代の日本が舞台になっていること。もう、そこだけのようにも思います。

わたしは、絵本の中の「外国」が好きだし、何しろ子ども時代(それも2つ下の妹がいる)に旧版に親しんで思い入れがたっぷりあるので、どうしても比べてしまって、贔屓目なしでは、見られないのですが。

1冊の絵本として、素敵だなあと思います。見返しの手触りまでぬかりなく。

日本で出版されて40年以上、それはたくさんの思い入れを背負ってきた絵本「ねえさんといもうと」。

ほんと、ここにこうくるなんて、目の付け所が、すごいなあ!

ゾロトウの兄弟シリーズでは、こちらも、忘れてはいけません。

妹をからかって泣かせてばかりのお兄さん。でも、あるとき妹から違う反応が帰ってきて・・・

「ねえさんといもうと」ほどメジャーになりきれないのですが、あちらに共感するのは、ほとんど姉妹じゃないかと思うのに対して、こちらは、どんな立場の子もたのしいです。内容もシンプル。

ほほえましいったら、ありゃしない。

チャルマーズの絵の素朴さ愛らしさ、子どもの表情が、たまらない。

ああ、やっぱりこっちも大好きです。