もし、ねがいごとが3つかなうとしたら
何をおねがいする・・・?
小さな頃から、会話の隙にふと現れて、
わたしたちを一瞬天国にいるような心地にさせてくれる
魔法の言葉。
「あと100個ねがいごとをかなえてくれるようにおねがいする!」
という答えは、なしですよ。
それでは、夢見心地を味わうことは、できませんもの。
大きな森のはずれに、きこりの夫婦がいました。
ふたりは1年中、仲むつまじく働いていました。
けれども、働いても、働いても、
ふたりには、食べるものが十分にありませんでした。
そんなふたりに、運がまわってきます。
ある朝はやく、森で木をきっているときに、
しっぽを木にはさまれて身動きのできなくなった
いっぴきの子鬼に出会ったのです。
子鬼は、助けてくれたお礼に
ねがいごとを3つ、かなえてくれるというのです!
さあ、うれしくて、身も心もほかほか。
あれこれとねがいごとを考えながら、家へ帰ってきたふたり。
ほっと一息ついた旦那さんが、
おもわず口にしてしまった、ねがいごとは・・・
ヨーロッパの民話をもとにした、
たのしい、たのしいおはなしです。
絵よし、訳よし、テンポよし。
夫婦喧嘩に、大笑いまちがいなし。
度量が広く、欲張らないふたりに、
感服することまちがいなし。
それにしても、身の丈にあった幸せがなによりとはいえ・・・
うちだったら、3日くらいは、ケンカじゃないかな。
いや、やっぱり、あれじゃあ
可笑しくてケンカをする気にもならないかな。
・ ・ ・
【この本のこと】
「みっつのねがいごと」
マーゴット・ツェマック 作 小風さち 訳
岩波書店
【だれにおすすめ?】
「岩波子どもの本」のカンガルー印の1冊で
読んであげるなら、4、5歳くらいから
このおかしさを1回でわかるのは、
もう少し上かなと思いますが、
5歳くらいの子でも、何度か読むとわかって面白がります。
大勢の読み聞かせにもおすすめ。
おとなは、笑いますよ〜
怒って、笑って、笑って、
最後はあたたかい気持ちになります。
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