馬小屋のクリスマス

 

世界中の、たくさんの人が大切に祝うクリスマスは
イエスさまがお生まれになった日です。

誕生、という奇跡

わたしたちもまた、それと関わりのない人は
だれひとりいません。

ー ずっとむかしの とおいくにの クリスマスのおはなしでしたが、
  その子には すぐちかくの 馬小屋でおきたことのように思えました。

              「馬小屋のクリスマス」より

 

あるところに、ひとりの子どもがいました。

子どもは、おかあさんのひざの上で、
「クリスマスのことおしえて」といいました。

そこで、おかあさんは
馬小屋のクリスマスのおはなしをはじめました。
ずっと昔の、遠い国のクリスマスのおはなしでしたが、
その子には、すぐちかくの馬小屋でおきたことのように
思えました・・・

余計な装飾のない、
静かな文章にのせて広がる光景ー

電線のはしる農村を歩く若い夫婦は、
質素な現代風の格好。

馬小屋は簡素ながら使いやすく整い、
持ち主の羊飼いたちは、気のよさそうなおじさんたち。

けれど、その出来事の尊さや、感じるあたたかさは
すこしも損なわれることはなく、
むしろ、身近で手でふれることができるからこそ、
すべてを理解できるように、思います。

 

おかあさんから子どもへ
ひざの上で語られるクリスマス物語は、
クリスマスの夜の特別な奇跡を伝えるだけでなく、
誕生そのものを祝福するような、歓びがこもり。

誕生に無縁で存在することのない、
すべての人に、やさしい、やさしい気持ちを届けます。

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【この本のこと】

「馬小屋のクリスマス」
アストリッド・リンドグレーン 作  ラーシュ・クリンティング 絵
うらたあつこ 訳  ラトルズ

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、4、5歳くらいから

文章を書いているのは、
長くつしたのピッピなどでおなじみの
リンドグレーンです。

天使はでてこないし
特別なことは何も起きず、
すべて必然。

けれど、それこそが、奇跡だと、感じられます。

子どものいるお母さんたちにも、
おすすめです。

12月生まれの子の出産のお祝いでも、素敵!

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