シモンとクリスマスねこ

12月になって、クリスマスが待ちきれないシモン。

あと、にじゅーよん、といわれても、まだ数をじょうずにかぞえられないシモンは困ってしまいますが、お父さんが素敵なことに気がつきます。

飼い猫のフローラのしっぽの縞は、ちょうど、24!

シモンは、お父さんの描いてくれたフローラの絵のしっぽの縞を毎日ひとつ塗りつぶし、そのたびに、おはなしをひとつしてもらうことになりました。

24個のおはなしと、すこしずつクリスマスに近づいていくシモンや、シモンのまわりのようすがたのしめる、アドベントストーリー。

クリスマスまでの、24日。

シモンの身に起きたクリスマスの出来事や
眠る前に枕元で紡がれる物語は、
ある日は、軽やかなユーモアに包まれ
ある日は、神秘的なファンタジー
ある日は、心の奥に波紋を起こし
ある日は、光を灯し

作者は、ドイツ生まれでスイス育ちなので、この地方のクリスマスの伝説や宗教や習慣が元になったお話も多く、はるか昔からクリスマスを祝ってきた人々の心に触れることも、楽しみのひとつです。

ただ、わくわく、たのしいだけでなく、読みすすめていくうちに、クリスマスでほんとうに大切にしたいことを知り、クリスマスの精神を受けとり、静かなよろこびをもって、クリスマスを迎えることができる。

12月の枕元に欠かせない、物語です。

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【この本のこと】

レギーネ・シントラー 作
ジータ・ユッカー 画 福音館書店

【だれにおすすめ?】

ひとつひとつの物語は、ほんの数分で読み終わってしまうほど短いのですが、小さい子には少しむずかしい話もあります。

ただ、物語を味わう気持ちのある子なら、5歳くらいから、全体の空気を楽しむことができると思います。

おとなにも、とてもおすすめです。

どの物語にも、クリスマスの心が散りばめられています。

たとえば、サンタクロースではなく聖ニコラウスという人がプレゼントを持って出てくるのですが、どうして?誰?そんな興味にもつながり、クリスマスへの理解が深まります。

毎年、毎年、繰り返して読みたい、物語集。

 

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