パパがサーカスと行っちゃった

この春、住んでいる街に、サーカスが来ました。

あちこちでポスターを見かけるようになり、空き地だったところにテントが立つと、子どもだけでなく、おとなも盛り上がりました。

サーカス!

普段の暮らしに相容れない、この非日常のひびき。ワクワクせずには、いられません。

パパがサーカスと行っちゃった

ー「すっごいことが、おこったぞ!わっからないだろうなー」
パパが、シャンデリアにぶらさがりながら、さけんだ。 (本文より)

サーカスが街にきたことを知り、大喜びのパパ。いつも大げさなパパに、シラケ顏の子どもたちですが、そのテンションに巻き込まれ、あれよあれよと、よそいきの服を着て出かけることに。

サーカスに向かう車でも、パパは大興奮。雨に濡れるのもかまわず、サンルーフから頭を出し、傘を振り回します。

そして、サーカスを見終わったパパは・・・

な、な、なんと。そのままサーカスに入団してしまったのでした。

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巡業の旅の中、世界中から子どもたちに、ハガキを送ってくれるパパ。

いつの間にか、そんなパパを自慢に思いながら、帰りを待ちわびる子どもたち。(この家では、もともとママが勤めに出ているのです)

そしてついに、パパが帰ってきます。
サーカスと一緒に!

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突拍子もなく、でも、とても現代的な、イスラエルの絵本。

家族の中で尊重されるべきなのは、子どもだけではありません。親だって、楽しんでいい。好きなこと、行きたい場所、その気持ちを伝えて受け入れてもらってもいい。

家族の形は、いろいろ。家族も、もっと自由でもいい。

もちろん、その行き着く先には、家族の笑顔がないとね。一家で曲芸にはまってしまった、この家族みたいに・笑

 

【この本のこと】

「パパがサーカスと行っちゃった」
エットガール・キャロット 文
ルートゥー・モエダン 絵
久山太市 訳 評論社

【誰におすすめ?】

読んであげるなら、5歳くらいから。

表紙、タイトルページ、第一声、すべての展開・・・どこをとってもインパクト大で、一見キワモノ感がありますが、いえいえ、最高の家族の物語です。

最初から呆れてシラケているようで、口元はにやけて、パパを受け入れ、パパにノっている子どもたち。ママもしかり、それに、動じない。

奇抜な絵や展開と裏腹に、あっさりと他愛もなく描かれる、大切な気持ちの動き。

癖が強くて、誰かにおすすめしにくい絵本だけど、私はたまらなく好きです。