クリスマスイブのこと

サンタクロースの先祖は、聖ニコラスという、ほんとうにいた人物です。

その後、たくさんの国の言い伝えや風習が合わさり、現在の姿になりました。

ー サンタは すすと はいだらけ
  おもちゃの ふくろを せなかに かつぎ
  まるで ものうりおじいさん
  めは たのしげに かがやいて
  りんごの ほっぺに だんごばな
  にっこりすれば わらいじわ
  ゆきより しろい ながい ひげ
  パイプ くわえて けむりを ぷかり
  リースのような わが できる
  まんまるがおで おなかも りっぱ
  うごくと ゆれるよ ぶるんぶるん

      「クリスマスイブのこと」より

聖ニコラスは、子どもを守る聖人と言われ、その伝説から、12月6日には子どもたちにプレゼントを配ります。

ドイツをはじめとするヨーロッパ各地で祝われていた聖ニコラスのお祭りの文化が、宗教革命やキリスト教の広がりを経て、同じ月に祝われていたキリスト誕生のお祭りと合わさっていきました。

そして、それが、移民とともに、アメリカに渡ります。

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アメリカの神学者だったムーアは1822年、ただ、自分の子どもたちへのクリスマスプレゼントとしてこの詩を書きました。

それが匿名で新聞に載り、全米に広がり、サンタクロースの、クリスマスイブのイメージがみんなに共有されるようになっていきます。

サンタさんが白いひげでニコニコ顔のおじいさんだということ。煙突からはいることや、8頭立てのトナカイのひくそり・・・という光景は、この詩から生まれました。

また、その後、たくさんの画家がこの詩に絵をつけ、そこからも、サンタクロースのイメージが作られていきます。

静かなクリスマスのよる、
おどろいて、息をつめて

サンタさんのおおらかさ
笑い声
息づかい

夢のように、さっていく
そのあざやかな後ろ姿・・・

手をふれられそうなほどに
クリスマスイブの夜の空気をかんじます。

詩の誕生から200年近くたった今も、毎年のように、あたらしく絵をつけた絵本が出版されていて、すぐれた画家たちの描きだした挿絵や、個性的な訳をくらべても、たのしいです。

この詩をもとにした、たくさんの素晴らしい絵本の中で、1冊だけ選ぶとしたら、わたしは、この本です。

もっと、ムーアの時代に合った絵や忠実な訳の絵本もいくつもありますが、わたしたちにも馴染みのあるこのサンタクロースの姿や光景が、子どもにもまっすぐ、イブの夜のワクワクを届けます。

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【この本のこと】

「クリスマスイブのこと」
クレメント・ムーア 作 アニタ・ローベル 絵
セーラー出版(品切れ)

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、3歳くらいから

わたしたちのイメージする、
クリスマスイブが全部つまっています。

クラシックな絵、ポップな絵
軽やかな詩、静かな詩、物語風のものも
本当にたくさんの絵本になっています。

その絵本によって、対象年齢も様々で、
もう少し大きい子向けのものも、あります。

ぜひ、読みくらべてみてくださいね。

 

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