いつもちこくのおとこのこ

 

ものごころついた時には、遅刻魔でした。

古い記憶の中に、幼稚園に遅れて、ひとりで急いで歩いている、というものもあるので、筋金入りだと思います。

親になり、子どもたちを幼稚園に連れて行くようになっても、困ったもので、まだ、治りません。

寝坊しているわけではないのですけどね・・・

ましてや、ワニに引っ張られたわけでも、ライオンから逃げて木に登っていたわけでも、ないんですけれど・・・

ー ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー、おべんきょうしに てくてく でかける。

その途中に現れたのは、1匹のわに。

わには、ノーマンのかばんに噛みついて離れない。ひっぱっても、ひっぱっても、離さない。

手ぶくろを投げて、やっと離して、道を急ぐも、わにのせいで遅くなり、ノーマンは先生に叱られる。理由を説明しても、先生は信じない。

また別の日には、パトリック・ノーマン・ヘネクシー、ライオンにお尻をかじられて木の上に逃げていて、ちこく。またまた別の日には、橋で高潮にさらわれそうになり、ちこく。

先生は、ノーマンの言うことを、もちろん信じない。

もちろん・・・?

先生自身に、そんなことが起こるまで、ね。

・      ・      ・

バーニンガムは、私が、子どもでも大人でもない、10代のころ、偏愛していた作家のひとり。

子どもが大人や世の中に抱えるもやもやー頭ごなしに決めつけるとか、口ばっかでちっともわかってないとか、何事も見た目じゃないよねとかーに、スカッとしたジャッジをしてくれる。

だって、この先生の、滑稽なこと!

それに、子どもだけがわかっているような不思議な出来事や秘密も、さも当たり前のように描いているのも好ましかったし、悲しみや寂しさへの寄り添い方も絶妙だと思っていました。

この人、わかってる!って。

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あの頃に思い描いた、バーニンガムのような子どもごころのわかる大人になることができているかわからないけれど、何かおもしろい遅刻の言い訳をしたい気持ちに駆られます。

いやいや、その前に、ちゃんとした大人になって、遅刻をどうにかしなければ・・・

 

【この本のこと】

「いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」
ジョン・バーニンガム 作
谷川俊太郎 訳
あかね書房

【だれにおすすめ?】

読んであげるなら、5歳くらいから。

ラストのおもしろさを理解するのは、もう少し上。大人へのシニカルな目も持つようになった、小学生への読み聞かせにも、おもしろいと思います。

 



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